23個 ページ23
シュラハトからは順番にコネシマ、シャオロン、ゾム、トントン先輩。
私のところ、フルーフからはクロノア先輩、トラゾー先輩、私、きょー先輩。
シュヴァンツからはきんとき君、きりやん君、知らない子、Nakamu君。
一番手は一周、二番手と三番手が半周、アンカーが一周。
待機場所は三番手しかいない。
つまり、ゾム、私、知らない子だけ。
最悪やん。
隣に座っているゾムをチラ、と見ると私を見ないように目を背けている。
なんか...苛つくなぁ
ため息をつくと隣にいた子が「大丈夫ですか？」と声をかけてくる。
『嗚呼、大丈夫ですよ、お気遣いありがとうございます。』
笑うと頷いて「良かったです」とだけ言ってくる。
表情の変化が乏しいんか？
第一走者が走り出すのを見る。
皆良い感じに走っていて差がほとんどない。
実況曰くきんとき君は部活していないのだとか。
すげぇなぁ...
特に大差はなく二走者へと変わる。
トラゾー先輩やシャオロンは一定期間内に力が出るタイプだからか少ししてから顔をしかめる。
それと比べるときりやん君は揚々としていて二人を追い越す。
トップに躍り出たきりやん君に会場は沸き上がる。
これは、難しいかもなぁ...
苦笑いをしながら隣にいる子がきりやん君からバトンを受けとっている。
kr「スマイル！」
sm「おう」
二人のやり取りを見ながらトラゾー先輩からバトンを受けとる。
スマイル君って言うんか...
私もそうだが、他のなかで一番遅いのかスピードが落ちているのが分かる。
そこで後ろからシュラハトの声が聞こえてくる。
っ、ゾムにバトンがいったんか...
スピードをあげ距離を離そうとする。
テニス部になってから増えた体力と、シャオロンと遊んでたときの瞬発力、脚力を利用する。
しかし元々の才能があるのか足音から詰められているのが分かる。
前に待っているきょー先輩を見ようと顔をあげるときょー先輩は凄い剣幕で叫んでくる。
kyo「Aッッ！後少しや、頑張れ！！」
きょー先輩の言葉にバトンを渡さなきゃ、早くしなきゃと気持ちが逸る。
しかしそれがトリガーとなり前へと進む力が出る。
それこそ、前にいたゾムと並ぶほどに。
『きょー先輩っ！』
きょー先輩にバトンが渡ると共に足が縺れる。
『わ、わ！』
ぺた、と転ぶ。
うっわ、はず。
待機場に行くとクロノア先輩が「頑張ったね」と褒めてくれた。
安心してはにかむと微笑んできた。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月1日 0時
