18個 ページ18
いやぁ〜、コンタミ先輩惜しかったなぁ...
そう思いながら計画表を見る。
少し時間が早い...？
『レウさん、仕事だから行ってくる』
ru「ん？はーい、頑張って〜」
レウさんはどりみーに見張る理由を聞いていないからか何も止めない。
また、コンタミ先輩は終わったばかりで居ないし、次の競技にはきょー先輩とどりみー、らっだぁ先輩が出る。
邪魔する人は居らん！
少し早めに出たが、実は手洗いしたかったりしたんや。
早々に手洗いを済ませ出てくると影がかかる。
顔をあげると辛そうな顔をしたシャオロン。
sho「っ、ちょっと今、ええか...？」
『...うん、ええよ』
誰も居ないのを確認して校舎側面にいく。
校舎裏は意外と隠キャに人気があるから。
壁に肩を貸しながら『で、何？』と聞く。
こんなことになるなら早く出るんじゃなかった、なんて後悔している。
sho「なんで、引っ越したん？」
『家の事情。離婚してさ』
sho「...そうなんか。
A、虐められとったって聞いたで」
は？誰から？
そんなんやってくれるような奴居ったか...？
いや、居るわ。
ぴくとやろうな。
仲良かったんかは知らんかったけど。
『...で？それやから、なんなん？』
sho「...いつでもあの発言撤回することできたやろ」
『報われへんやん、私が』
何を感じているのかは知らないが涙を溜めるシャオロン。
コイツ、何かと責任感じることが多いんよな。
その内壊れてまうよ
sho「すまん...俺、幼なじみやのに...っ」
弱々しいシャオロンに胸が締め付けられる。
可哀想、とか思う訳じゃない。
ただ胸に刻まれる言葉は
この人じゃない。
こんな弟じゃない。
こんな子じゃない。
もっと頭が良い筈なのに。
もっと前に進む力がある筈なのに。
もっと正義と言うものに真剣に向かい合う筈なのに。
自分の記憶とズレるその姿に困惑や恐怖が隠しきれない。
『っ、泣かんといてよ...！』
無意識に手を握る力が強くなる。
爪切っとけば良かったわ。
血が流れるのが分かる。
一方泣くなと言われたシャオロンは自分の頬に手をあて、ようやく泣いていたことに気がついたらしい。
con「あれ、居た！A、委員会流石に待っといた方がいいんだけど」
『すみません、今行きます』
sho「ぁっ、ちょ...！」
止めてくるシャオロンを無視して逃げるように離れる。
彼らと重ねて死を想像してしまうのが怖かった。
そんな考えを振り払うように本部へと向かった。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月1日 0時
