79回 ページ29
目を覚まし腕で支えながら体を起こす。
随分久しい夢を見たものだ。
慣れた手つきでランタンの蝋燭に火を着ける。
火が着いたからか欠伸をしながら起き上がる男。
『おはよう』
慣れた朝の挨拶。
男は眠そうに目を擦りながらも「おはよう」と返してくる。
「さぁて、行くかぁ〜...ん？どうした、僕の顔に何かついてた？」
ペタペタと顔に手をつける男を見て首を横に振る。
『何もないよ、ぴくと。』
不思議そうにしながらも頷くぴくと。
懐かしい夢を見たからか、少し気分が憂鬱になる。
既に顔も、声も思い出せないけど。
この数年だけで脳のキャパ量がオーバーしたのかは分からないが記憶が曖昧だ。
しっかりと覚えているのは自分がクリーパーであることと誰かに良くなついていたこと、孤児院で誰かと仲良くなったことだ。
後は自分が何故かあの森に拒絶反応を起こすこと。
何故かは分からないけど彼処に入ろうとすると呼吸が荒くなり倒れてしまう。
何年も見ていないあの森を思い出す。
確かあの後は頭達と離れて旅をし始めたんだよな。
気がついたらぴくとと一緒にいたけど。
pk「A、行くよ〜」
ぴくとが手を振ってきたのを見て頷く。
荷物を手早くまとめて立ち上がる。
pk「くられ先生待ってるんだから、急いでね〜」
軽い返事をしてぴくとを追う。
pk「久しぶりだね〜くられ先生に会うの。」
頷くとぴくとは「そういえば、前回は何が分かったの？」と聞いてきた。
『特になにも』
そう答えると聞いた本人というのに興味を無さそうに「ふーん」と返してきた。
自分がクリーパーであることはくられ先生とぴくとには伝わっている。
くられ先生には協力してもらい人間への変化の理由を探ってもらっている。
pk「そういえば、我国あるじゃん？」
なんだっけ、と頭を悩ませる。
『...戦争国家の？』
pk「そうそう！彼処に僕の知り合い居るんだけど、最近良くくられ先生のところにも来るらしいよ〜」
来るのは不定期だから言っておこうと思って、と付け加えるぴくと。
知らない人かぁ、と顔を歪めると笑われた。
pk「大丈夫だよ！まぁ、無視しても良いだろうし」
良いの？と目線を向けると「あの人なら別に」となんとも雑な扱いをされていた。
可哀想に。
というか、我国ってくられ先生の研究所から遠くないのかな。
顔に出ていたのかぴくとは此方を見て口を開いた。
pk「くられ先生、我国専属の科学者になったんだよ」
驚きの事実を難なくそう言った。
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月見団子(プロフ) - 次は何が起こるのかとワクワクしながら読んでます！無理をしない程度に更新頑張ってください！ (2020年12月9日 11時) (
レス) id: aa4c938491 (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 好き()神か?あ、神か。(確信)いや、神以上の神(?)更新頑張ってぇ!! (2020年12月3日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
pinatu(プロフ) - めっちゃ面白かったです、クリーパーの物語って初めて見ましたこれからも頑張ってください完結楽しみにしてます (2020年12月2日 1時) (レス) id: 6584cbaedd (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 出れたら皆の元に帰ると思って読んでいたので、選択肢はなかったと言うところで変な声がでました。ありがとうございます。 (2020年11月29日 23時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ軍曹(プロフ) - カレンちゃんがemさんに何かした？ (2020年11月27日 7時) (レス) id: fbd0d9a368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2020年11月16日 21時
