53回 ページ3
シャオロンの膝の上でもう何分経ったのだろうか。
終わる気配のない会話を聞き流しつつ手の中にある笛を弄る。
sho「...すまんな、もう行ってええで」
話を続けているのに死神、ショッピが白熱し出した頃シャオロンはそう言って自分を膝から下ろしてくれた。
そして話を続け出す。
特にやることもなくなってしまった。
そう思ったとき、美味しそうな香りが鼻を擽った。
キッチンに向かうと小さく鼻唄を歌っているひとらんらんが。
近寄ろうとすると足音で気がついたのか目が合う。
ht「大変だったね」
見てたよ、とひとらんらんが笑う。
助けてくれても良かったのに、と思いながらも近寄る。
ht「はい、これ持っていってね」
いつものように一人一人に装われたものではなく、自分でとって行く形式のようだ。
渡されたお皿を持ちながらリビングに行くと、話が白熱している奥で昼食の準備をしている人たちが集まっている。
しんぺい神が自分に気がつき真っ先に駆け寄ってくれる。
sn「重たいよね、ごめんね」
手のひらが軽くなり、お皿をしんぺい神が置いていく。
全てを置き終わったとき、皆は各々食べはじめる。
pe「え、これなんですか？」
知らない食事があるのか聞いてみたりしていて皆楽しそうだ。
こっそり後ろから見ながら窓辺に立つ。
遠くから見ていても皆の騒ぎは聞こえるし、此方の方が全体が良く見える。
隣にはイナリもいるし、安心だ。
イナリはチラリと自分を視界に入れる。
in「食事は食べないの？」
小さな、綺麗な声に耳を傾けながらぼそ、と返事を返す。
『今日は、いらない』
食欲がわかない。
皆を見ているだけでお腹一杯だ。
イナリは理解したように目線を再び皆へと移した。
tr「あ、イナリふぁん！これ、おいひいれすよ！」
口をモゴモゴさせながらやって来るトラゾー。
イナリは首をかしげてから口元を手で隠し微笑む。
トラゾーに招かれるようにトラゾーの側へと寄っていく。
さりげなく二人は手を絡め、お薦めされている食事を手に取りはじめる。
顔を見合わせた二人は遠くながらに幸せそうに見えてどこか羨ましく思う。
皆楽しそうで、皆嬉しそう。
自分は皆にバレないように静かにリビングを後にする。
自室に戻り、窓を開けて本を取り出す。
今日も職業を探す。
一人一人に合う職業は多少あるものの、皆がやっていそうなものは見当たらない。
当てれないのかな、そう思いながらも文字の螺旋を目で追いかけた。
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月見団子(プロフ) - 次は何が起こるのかとワクワクしながら読んでます！無理をしない程度に更新頑張ってください！ (2020年12月9日 11時) (
レス) id: aa4c938491 (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 好き()神か?あ、神か。(確信)いや、神以上の神(?)更新頑張ってぇ!! (2020年12月3日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
pinatu(プロフ) - めっちゃ面白かったです、クリーパーの物語って初めて見ましたこれからも頑張ってください完結楽しみにしてます (2020年12月2日 1時) (レス) id: 6584cbaedd (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 出れたら皆の元に帰ると思って読んでいたので、選択肢はなかったと言うところで変な声がでました。ありがとうございます。 (2020年11月29日 23時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ軍曹(プロフ) - カレンちゃんがemさんに何かした？ (2020年11月27日 7時) (レス) id: fbd0d9a368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2020年11月16日 21時
