44回 ページ44
sn「エミさん、カレンちゃんでしょ〜？ちょっと待っとってね〜」
しんぺい神の声に近寄ってきていた足音が止まる。
em「ぇ、あ、は、はい...」
sn「はい、出来た。はよここから出てかんと大先生たち来てまうで？」
早く、とドアから追い出したのか声が聞こえなくなる。
ほっとして腕から顔をあげる。
zm「...」
ゾムも一言も話さなかった。
なんなら、エミさんはゾムのことを出さなかった。
どうしてだろう、とゾムを見上げると体を固めてしまった。
ゾムは酷く顔をしかめ、歯を食い縛っていた。
自分には気がついていないようで、自分がしんぺい神へと目線を向けるとしんぺい神はゾムに声をかけた。
sn「ゾム、怖いで」
zm「っ、すまんわ」
しんぺい神の指摘で気がついたのかゾムは顔を緩めた。
ゾムはなんであんな顔をしていたのかは分からないが、追求するのは怖く黙っておく。
sn「エミさんから喧嘩した、とは聞いてたけど...」
そう言ってため息をついた。
ゾムは気まずそうに顔をそらす。
喧嘩？
どういうことなのか分からない。
『...ゾム？』
...返事はない。
気まずいのかな、自分が聞きたいのはそんなことじゃないのに。
『ゾム？』
zm「...何。」
『人が、いる』
zm「は？」
窓から体を乗りだし人を指差すと「危ないよ」としんぺい神に部屋へと戻される。
そしてかわりにしんぺい神が窓から覗いた。
sn「...兄さんじゃん」
ぼそ、とそういったしんぺい神。
その言葉にゾムが肩を揺らす。
兄さん...って、話に出てた人、だよね。
遠くにいたせいで顔とかが何も見えなかった。
「ただいま〜」と言う、聞きなれない低い声がしたと思ったらバタバタと慌ただしい足音が玄関へと向かっていって、大きな声で騒ぎ立てるのが分かった。
zm「...ぺ神、俺は会えへんわ」
sn「全く、せっかく帰ってきたのに〜」
不満げに頬を膨らましながらも部屋を出ていくしんぺい神。
廊下からは明るい、楽しそうな声が聞こえるのにここは静かだ。
でも、決して廊下に出たいとは思えない。
zm「ごめんな、俺、エーミールと喧嘩してん...」
さっきの話かと思いながらも聞く。
zm「なんで構ってくれへんの、なんで女ばっかり、って...」
俺、嫌われてもうたかも。悲しそうにそう言うゾムの声が切なそうで、辛そうで...
喉からは音が出ずただヒュー、という息の音が鳴るだけだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 192人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パソコンの精 - 設定が面白いので、読んでて飽きないですね。更新頑張って下さい！ (2020年12月13日 14時) (
レス) id: 8d2541acc6 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@元祖みぃーちゃん(?) - お！！クリーパー！？ すげぇ､､､え?夢主かわよ！！ ､､､更新頑張ってください！！ (2020年11月6日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲々姫 | 作成日時：2020年10月23日 19時
