32回 ページ32
zm「ほら、A見てや！」
『かゎ、ぃ...』
ゾムが見せてくれた狼をゆっくりと撫でる。
すると気持ちいいのか、鋭い歯を剥き出しにして目を細めた。
zm「ふはっ、イフリートも気持ちよさそうや！」
『ぃふ、りぃと...』
名前を呼ぶと「なぁに？」と返すように振り向いてくる。
かわいくてかわいくて、撫でるともっともっととすり寄ってくる。
『んへへ、くすぐっ、たぃ...』
ついにはイフリートが上に乗ってきて、ペロペロと顔をなめられる。
zm「良かったなぁ、イフリート！」
ゾムがそう言ってイフリートの頭を強く撫でると元気にワンッ！とイフリートは返事をする。
zm「ほら、もっとやってほしいんやって！」
『じょ、...ゾム、いふりぃととかぃわ、できる...？』
zm「んふふ、会話は出来ひんなぁ...でも、ある程度どんなこと思っとるかは分かるで！」
イフリートのように歯を見せ笑うゾム。
あまりにも似ている二人...いや、一人と一匹に笑ってしまう。
zm「...Aがいてくれて良かったわ。」
ゾムはそう言うと自分の頭を撫でてきた。
『...ゾム？』
どうしたの、と顔をあげると少し後悔した。
ゾムは泣くのを堪えるように歯を食い縛っていたから。
どうしたの、お腹痛い？
怪我した？
言葉をかけるも返事は返ってこない。
さらにはゾムは体を丸め嗚咽混じりに泣きはじめてしまった。
どうしよう、とイフリートを見るもイフリートも慌てているのか、ゾムの周りを歩いてはすりよって、撫でて撫でて、と小さく鳴き声を漏らしていた。
zm「ぅっ、ごめん...ごめん、な...情けないやんな...」
ゾムはイフリートと自分を腕の中に引く。
拒絶してはいけないと思いゾムに近づいていくと、ぎゅ、と抱かれた。
zm「ごめん、今だけで、今だけでええから...っ」
いつもと雰囲気が違う、弱々しいゾムの後頭部に腕を回し、軽く叩く。
それはリズムを持っているからかゾムはゆっくりと落ち着いていく。
『...らいじょーぶ、だいじょーぶ...』
ゾムがこうなっているのは十中八九新メンバーだろう。
最近来たばかりの自分でさえ気がついた、空気の異様さ。
正直居づらかったし、ゾムに連れられて家を出たときは安心さえしてしまった。
それほどまでに可笑しかった。
それとも、自分達が可笑しいのだろうか。
人間になりたての自分に分かる筈はないがこれから面倒なことが起こりそうで嫌だ。
そんなことを考えつつ目は閉じ、意識は遠退いていった。
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パソコンの精 - 設定が面白いので、読んでて飽きないですね。更新頑張って下さい！ (2020年12月13日 14時) (
レス) id: 8d2541acc6 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@元祖みぃーちゃん(?) - お！！クリーパー！？ すげぇ､､､え?夢主かわよ！！ ､､､更新頑張ってください！！ (2020年11月6日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2020年10月23日 19時
