2回 ページ2
目が覚めるとよくわからない場所にいた。
こんなことははじめてで困惑したが、はじめてのことへの好奇心もあった。
とりあえず辺りを見てみると、木々が生い茂っていて森の中だと分かる。
近くに山があって、山頂辺りには山肌が見える。
比較的自分が洞窟育ちなのもあってか、山より森を抜けてみたい、という気持ちが強かった。
どこか動きにくい体を不審に思いつつ山に背を向けて森を歩きだす。
察しはついていたが、手を見る限り人間になってしまったのかもしれない。
久しぶりに見た羊や豚、牛。
故郷では兎がいたのだけれど、ここにはいないみたい。
故郷みたいな砂漠もない。
湖があってそれを覗きこむとやはり人間の顔が見えた。
ペタペタとさわると同じ行動をする人間。
諦めて立ち上がり周りを見る。
もしかしたら、人間とコミュニケーションが取れるのかもしれない。
『ぅう、ぁえ、ぅ！』
声はぎこちなく、母音しか出てこない。
人間の声のようにハッキリしてなくてため息をつく。
『んぁ、くー、ぃ、ぱっ』
人間はこんなにも難しい発音をするのかと改めて理解する。
目線を感じそっちに目をやると、そこにはこちらを覗いている仲間の姿があった。
しかし、知らないクリーパーだ。
『ぉ、んちゎ...』
クリーパーに近づくと、人間ではないことを理解しているのか側によってくれる。
それでも、健気にこちらを向くクリーパーは言葉を話さなかった。
『ど、ぃあの？』
そう聞くも、クリーパーは必死に何かを伝えようとしてから悲しそうに目を閉じた。
もしかしなくてもクリーパーの言葉を理解できなくなってしまったようだ。
人間の言葉も話せない、クリーパーの言葉も理解できない。
そんな自分に何ができるというのだろうか。
膝を抱えて座り込むと隣にクリーパーが寄り添ってくれた。
ただそれだけで安心した。
『むぅ〜...』
喉から出てくる意味のない音。
暖かい日射しが自分とクリーパーを優しく照らす。
木々はそんな二人を見守るように風に吹かれ囁く。
暖かいのに寒い。
安心しているのに怖い。
矛盾が重なっていく。
このまま一人になるのはどうしても怖い。
気がついたら日は傾いてきていて、暗い夜がやって来る。
もしかしたらゾンビやスケルトンたちにも殺されてしまうのかもしれない。
寂しくて涙が落ちたとき、木々の間から声が聞こえてきた。
「クリーパー？ちょ、お嬢さん危ないで！？」
こうして、隣にいたクリーパーは殺された。
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パソコンの精 - 設定が面白いので、読んでて飽きないですね。更新頑張って下さい！ (2020年12月13日 14時) (
レス) id: 8d2541acc6 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@元祖みぃーちゃん(?) - お！！クリーパー！？ すげぇ､､､え?夢主かわよ！！ ､､､更新頑張ってください！！ (2020年11月6日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2020年10月23日 19時
