オレも！と言えなくて…10 ページ6
「説明するから」
って、言ってくれてる先生の言葉も今の潤には届かない。
何とか泣き止ませようと暫く頑張ってくれたけど、
「今は無理だな。
まずは体をしっかり休ませてあげて、落ち着いてからゆっくり話そう、な？」
潤の頭をポンポンとして、部屋を出て行った。
その後を追うように看護師も出て行って、俺たちだけになった。
ベッドの上で体を激しく揺すりながら泣いてる潤の横に腰掛けた俺は、
「じゅーん。
ほら、いつまでも泣いてないのぉ。
もう先生たち帰ったよ？パパしかいないから泣くのは止めな」
できるだけ穏やかな声で言って、それからは無言で背中を擦ったり、頭を撫でたり。
言葉より大切なもの…が伝わるように。
随分長い間そうしていると、ピタリと泣き声を止めた潤。
ん？と思って顔を覗き込むと、ぎゅっと目を瞑って、溜まっていた涙をボロボロっと溢したあと、
「パ〜パ〜！」
思いっきり飛び付いてきた。
そしてまた激しく泣いて、すがり付いて来て…
ぎゅうっって俺の胸ぐらにしがみついてるのを見ていたら、何も言わないでただ泣いてるだけなんだけど、色んなモンが伝わってきた。
辛い、
苦しい、
悲しい、
寂しい、
悔しい…
潤がひとりでは消化しきれない、ありとあらゆる負の感情が溢れだしてるっていうのが伝わってきたんだ。
まだまだ幼い潤は、上手く言葉にできないんだろう。
だから俺は、うん、うんって頷きながら自然に涙が止まるまで待とうって思った。
ちゃんと伝わってるよ？
って、密着させた体越しに返事をしながら…
それから小一時間泣き続けた潤は、泣き疲れてそのまま眠ってしまった。
今までの俺ならこれ程までに長い時間泣かれたら、苛立って怒ってしまうような場面。
だけどちっともそんなことはなかった。
泣きたいだけ泣けば良いって思った。
泣いて病気が治ることは絶対にないけど、泣くことで負の感情が少しでも軽くなるんだったらそれで良いって。
また前を向けるなら、それで良いって…
深く眠ったのを見計らって、そっとベッドに寝かせただけで、ずーっとそばにいた。
トイレにも行かず、飲み物を買いに行くこともせず。
本能的にそうしないとダメだって思ったから…
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まぁさ(プロフ) - 何度も戻ってきてしまいます。あの家族に会いたくて。また更新されるのを楽しみにしています。 (2022年2月26日 7時) (
レス) @page8 id: 970a4044af (このIDを非表示/違反報告)
em(プロフ) - 最初から一気に読み直しました！ドキドキハラハラほっこりするお話しで大好きです！また更新されるの楽しみにしています！ (2021年9月2日 21時) (レス) id: 8d8bf5d378 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 最初から読み直しました(*＾▽＾*)また更新されるの楽しみにお待ちしてます☆ (2021年5月9日 8時) (レス) id: f4ca038df0 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - season1の1話目から再度一気読みしてしまいました！続きをまたいつか、楽しみにしています！ (2021年1月16日 13時) (レス) id: 2ec53b58cb (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 前更新されていた時からのファンです。また更新してくださいー！和くん潤くんが見たいです。 (2021年1月15日 6時) (レス) id: 85c9a45f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2019年6月6日 17時
