はじまりは潤 18 ページ22
翔サイド
「それからこの管はね？」
言いながら、バルーンカテーテルを指差し潤の様子を伺う。
興味を持って聞いているのを確認してから、
「おちん ちんに細い管を入れてお腹の中まで、通して、おしっこをここの袋の中に溜めてんの。
さっきも言ったけど、大事なものが体から出なくなると、おしっこがいっぱい出るようになるんだ。
大事なものの代わりになるお薬が効いてきたら、おしっこは少なくなる。
だからおしっこがどれだけ出てるか、見て分かるようにしてるんだよ？」
俺がゆっくり説明しているのを智にぃも雅紀も一緒になって聞いてくれてる。
「だから潤ちゃんがおねしょしたり、お漏らししたから、これをつけたってことじゃないんだよ？」
って、雅紀が反対側から頭を撫でながら言ってくれて。
「分かった、潤？」
潤の理解がどの程度か推し量るためにそう言うと、コクンと頷いて、
「なおる？」
涙で潤んだ目で俺をまっすぐ見つめて聞いてきた。
何について”治る？”って聞いているのかは定かでないけど。
「うん、治るか心配だね？
良く聞いてよ？潤。
おしっこがたくさん出るのは治る。
だから喉がカラカラになることもないし、おねしょもしなくなると思うよ？
だけど病気になっちゃった膵臓、ここね？」
また背中に優しく触れて言う。
「ここは元通りに治ることはないんだ。
だから今、ここから入れてる大事なものに代わるお薬を、毎日自分で体に入れてあげなきゃなんない」
点滴を刺している手に触れながら言ったんだけど、
『ん？』
って感じの顔してて(苦笑)
「潤の体が大事なインスリンっていうものを作れなくなったから、毎日注射で入れてあげるの。
わかる？」
少し具体的にイメージしやすい言葉を使って説明した。
と、途端に瞳の水分が増していってこんもりと今にも零れ落ちそうなほどに。
そして、
「ぃや…ちゅーしゃ、ヤっ…」
って。
そう言って大粒の涙をポロポロって零す潤。
その姿を見て、俺は次に何て言ってやれば良いんだ？
今まで数多く告知をしてきて、何て言ってきた？
頭が忙しく回転して、答えを探そうとするけど、相応しい言葉はなかなか見つからない。
だから…
ただただぎゅっと、ぎゅっと。
その小さな体を抱きしめた。
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
