はじまりは潤 11 ページ15
「そうだね。
僕たちがどーんと構えていないと潤はどんどん不安になっちゃうよね？」
自分自身の不安を振り払うためにも、敢えて前向きな言葉を声に出してみた僕。
そんな僕に片方の口角だけをキュッと上げ、シニカルな笑みを浮かべた翔は、
「ふふっ、やっと智にぃに戻った(苦笑)」
って。
そして続けざまに、
「潤だけじゃないよ？
智にぃがどっしり構えていてくれないと不安になるのは。
俺だって雅紀だって、智にぃがいてくれるからこそ、安心して自分の思い通り動けるんだから」
そんな嬉しいことを言ってくれて。
日々の生活の中では、僕のことをどう思ってくれてるかなんて、聞くことなんかないんだけど。
言われて、自分がこの家族の中でどういう立ち位置にいるのが分かった。
しかもこんな嬉しいことだったんだから、僕だって頑張れちゃう(笑)
それから翔と2人、これからどうしていくかを話し合った。
医療的なことではなくって、気持ち的にどうしていくかってことをね？
不思議なもので、ひとりでぐるぐる考えていたら、あんなにネガティブな考えしか浮かばなかったのに、2人で話すと前向きな言葉が互いの口からポンポン出てきた。
改めて人間て、ひとりだと弱い生き物なんだなって。
そんな風に思えたんだ。
その後、さっきまでとは違った気分で眠っている潤を2人で散々眺め回して(笑)
これから始まる生活へ思いを巡らせた。
そんな中、
「ところで、雅紀は？疲れて寝てた？」
って、雅紀の心配。
「いや、もう起きてた。
起きて和のことしてくれてたよ。
まだ学校始まったばかりだから、和のこともちゃんとやってやらないとって」
「そっか。雅紀らしいな。
アイツ、2,3時間しか寝てないだろうに。和のこと優先してくれてんだな…」
僕が今朝感じたことを言ってくれた翔。
子どものどちらかが病気をすると、どうしてもそっちに気が行ってしまって、元気な方に目が行かなくなりがち。
そんな時、うちはそれぞれがその時々の状況をみて動くんだけど。
今回は雅紀が動いてくれた。
僕が思うに、今回の病気は簡単に治るものじゃない慢性疾患。この先ずっと付き合って行かなきゃいけないもの。そんな病気だと分かったから、雅紀は僕たち小児科医が潤のそばにいた方が良いって思ったんだろう。
その上で和のフォローに回ってくれたんだ、きっと。
こういう行動が、サラッとできるのが雅紀の素晴らしい長所だと思う。
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
