笑顔 ページ42
その日も朝から何かにつけて『イヤ！』を連発してて。
それでも『おうおう、ヤだなぁ』なんて適当に相槌を打ちながら、何てことない風を装って心の中では、深ーいため息を吐いて(苦笑)
午前中だけでヘロヘロに疲れた俺を尻目に、午後になっても昼寝をする気配も見せず、動き回ってた雅紀。
前日までの雨のせいで完全にぬかるんだ中庭に出ていこうとしたのは、もう暖かい時間も終わり、秋にしては急激に気温が下がっていた夕暮れ時。
「雅紀、もう外行くのは止めよう。寒くなってきたから、な？」
「イヤ！行く！」
きちんと靴を履こうとしていたのに、それには触れず、否定の言葉を口にした俺に対して、不機嫌に靴を放り投げ、裸足で水溜まりの中に走り出した。
もう止める気力もなかった俺は、ただ軒先で走り回る雅紀を眺めていた。
裸足でピチャピチャと水飛沫を上げて走り回る雅紀を見て、また着替えをさせなきゃなんねぇなと、その日何度目か分からないため息をついた時だった。
”ビシャッ”
大きな音を立てたから、視線を向けると滑り台の下にできた大きな水溜まりで、転んでいる雅紀がいた。
「こりゃあ着替えだけじゃすまねぇな…」
独りごちた後、どうやって声を掛けようか考えながら、雅紀の元へと歩み寄った。
思った以上にびしょ濡れになって驚いたのか、硬い表情をして座り込んでて、俺を視界に捉えると更に顔を強張らせた。
だけど俺は疲れてはいたけど、怒ろうとは思っていなくて、
「雅紀、もうおしまい。体、冷えちまう」
風邪を引かせてはと、ただそれが心配だったんだ。
抱き上げようと更に近付くと、雅紀は焦って逃げようとして、勢い良く振り下ろした腕が水面を叩いた。
泥水が跳ね、雅紀の顔を汚した。
泣き出すのかと思い様子を伺っていると、反対の手をわざと振り下ろして飛沫を上げ、俺の顔色を伺っていた。
試し行動に出た雅紀に、
『怒ってないよ』
って、アイコンタクトを送ると、もう1度水面を叩いて更に大きな飛沫を上げた。
それが俺たちの顔にモロに掛かった瞬間、
『きゃはっ』
本当に楽しそうに笑ったんだ。
俺も釣られて笑うと、何度も何度も飛沫を上げては声を上げて笑う雅紀。
それから一頻り２人で水遊びをして…
すっかり日が暮れて、ブルッて身震いしたことで現実に引き戻された。
その時、雅紀の子どもらしく笑う姿に、泥水に隠して密かに涙を流していたのは、今でも俺だけの秘密。
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虹(プロフ) - 葵さん» 葵さん♪こんにちは。それぞれの過去2はまだ読めません。公開できるようになったらパスワードを外しますのでもうしばらくお待ち下さい。名前変換が上手くいくかの検証のため今回は下書きにせずパスワードを付けています。すみません！ (2018年12月16日 17時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - それぞれの過去Part2を、読みたいのですがどうすれば読めますか？ (2018年12月16日 17時) (レス) id: 7f01e38703 (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - Nachikoさん» Nachikoさん♪こんにちは！コメントありがとうございます(^O^)続きは公開の準備が整いましたら公開しますのでもうしばらくお待ちくださいね？これからもどうぞよろしくお願いします(^o^ゞ (2018年12月16日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
Nachiko(プロフ) - こんにちは！ 以前から読ませて頂いてます！毎回拝見するのが楽しみです♪続きが楽しみです！ (2018年12月16日 12時) (レス) id: fbc69c7e7a (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 桜＊潤さん» 桜＊潤さん♪今日も朝からコメントありがとう！多くを語らず手を掛けすぎず見守り続けた園長と大人への怒りを一旦置いて未来へと踏み出した翔ちゃん。智にぃの背中を追っかけて走りだしました。そんな姿が届いていれば嬉しいです。次partではいよいよゆかちゃんです！ (2018年12月16日 9時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月12日 9時
