愛着 ページ39
予約も取らず、突然現れた俺たちに驚く様子も見せず、
「いらっしゃい、雅紀くん」
って、遊びに来た親戚の子どもを招き入れるかの様に言う先生。
当然何の言葉も発しない雅紀に代わって、
「すみません、突然…」
どう話始めて良いのか分からず、取り敢えずの言葉を口にした。
そんな俺に柔らかに微笑んだ先生は、
「どうされました？今日は」
って、少し身を乗り出す。
相変わらずの物腰の柔らかさに安心した俺は、この数週間に起こったことを一気に喋った。
その間、一度も話を遮ることなく、時折「ふーん」とか「あぁ」とか「なるほどねぇ」って相槌をうちながら聞いていた先生。
俺から続きの言葉が出てこないのを確認するかのような僅かな沈黙のあと、
「そうでしたか…」
コクコクと何かに納得するような仕草と共に、グイッと椅子ごと俺たちの方へ近付いてきた。
その行動に驚いた雅紀が俺の上着を力いっぱい握り締め、身を固くする。
「雅紀くんは園長先生が好きになってきたんだなぁ」
って、言いながら、雅紀の頭を優しくひと撫ですると、乗り出していた体を椅子の背もたれに預け、静かに話始めた。
「結論から言いますと、非常に良い傾向です」
思ってもいなかった言葉に喜びよりも先に、『何を根拠に？』って疑問が先行する。
「被虐待児の心理は非常に複雑です。行動もしかり。
雅紀くんは身勝手な大人に振り回されて生きてきたでしょ？
そこには愛情や受容なんてものはなく、憎しみや拒絶、否定しかなかった。
そして自身に関心が向けられるのは、いけない行動をした時のみ。
いけない行動と言っても、恐らく園長さんの所では何の問題も無いようなことばかりでしょうけどね？」
にこやかな表情を崩さず話を続ける坂本先生に、惹き付けられるように聞き入った。
「被虐待児は知らず知らずの内に、今までと同じような関係を求めてしまいます。
つまり食事を摂らないで困らせるとか、夜眠らないとか、お漏らしをするとか。
それらの行動が親との唯一の接点だったからです。
もう少し大きな子どもだと、あからさまに挑発するような行動を取ったり、神経を逆撫でするような行動を取ったりする子もいます。
そうすることでしか、大人との関わりの持ち方を知らないんですよ、悲しいことに…」
本当に悲しい眼をして話す坂本先生は、尚も言葉を続けた。
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虹(プロフ) - 葵さん» 葵さん♪こんにちは。それぞれの過去2はまだ読めません。公開できるようになったらパスワードを外しますのでもうしばらくお待ち下さい。名前変換が上手くいくかの検証のため今回は下書きにせずパスワードを付けています。すみません！ (2018年12月16日 17時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - それぞれの過去Part2を、読みたいのですがどうすれば読めますか？ (2018年12月16日 17時) (レス) id: 7f01e38703 (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - Nachikoさん» Nachikoさん♪こんにちは！コメントありがとうございます(^O^)続きは公開の準備が整いましたら公開しますのでもうしばらくお待ちくださいね？これからもどうぞよろしくお願いします(^o^ゞ (2018年12月16日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
Nachiko(プロフ) - こんにちは！ 以前から読ませて頂いてます！毎回拝見するのが楽しみです♪続きが楽しみです！ (2018年12月16日 12時) (レス) id: fbc69c7e7a (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 桜＊潤さん» 桜＊潤さん♪今日も朝からコメントありがとう！多くを語らず手を掛けすぎず見守り続けた園長と大人への怒りを一旦置いて未来へと踏み出した翔ちゃん。智にぃの背中を追っかけて走りだしました。そんな姿が届いていれば嬉しいです。次partではいよいよゆかちゃんです！ (2018年12月16日 9時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月12日 9時
