後悔(翔) 2 ページ36
雅紀サイド
「ただいま」
リビングのドアが開いて、入ってきた翔にぃは酷く疲れているようで、声がいつもと違った。
「翔にぃ珍しく疲れてんね？」
「まぁな。でも大丈夫。こいつらの顔見たらそんなのどっか行くから」
そう言って笑った。
ギプスを取ってまだ数日で歩けない和は、ハイハイで翔にぃの足元まで行ってる。その和の真似をしているのか同じようにハイハイで潤も続く。
その２人を愛しげに目を細めて見ていた翔にぃは、おもむろに２人を同時に抱き上げ、頬刷りしている。
「至福の時って顔してる、翔にぃ」
「そりゃそうだろ？至福の時だもん」
って、ドヤ顔で言うんだけど、何か違和感が残る。
「俺、先に風呂入るわ」
って、キッチンにいるゆかに声を掛けている。
「和くんも！和くん、翔パパと入るぅ」
そんな翔にぃに和が迫る。
「和、まーにぃと入ろうよ。翔パパお仕事で疲れたって」
慌てて止めに入ったんだけど、
「あ、大丈夫。良いよ、和。一緒に入ろう！」
って。
「やったあ！翔パパ、だ〜いすきぃ」
和は満面の笑みを浮かべて両手を突き上げてる。
「潤は今日まで我慢な？また今度一緒に入ろうな？
和、服脱いどいて。翔パパは着替え取ってくるから」
そう言って2階に消えた。
「良かったな、和。まだ、あんよに力入れたらダメだかんね？気をつけてな？」
まだリハビリが始まったばかりで、本当は50％までなら荷重OKなんだけど、子どもの和には分からないだろうから、俺が一緒にいるリハビリの時しか足を付かせてないんだ。
そんな和を裸にしていると翔にぃが戻って来た。
「よし、脱げたな。抱っこしよ、おいで？」
ラグの上で万歳するように手を出す和に笑顔を向けた翔にぃは勢い良く抱き上げた。
「きゃは！」
嬉しそうな声を上げて翔にぃの首に細い腕を絡みつけている。
「和、おしっこは？トイレ行っとく？」
「行くぅ！」
2人が話ながらリビングから出て行った。
翔にぃってタフだよな〜
ぼんやり考えながら、潤を膝に乗せる。
「潤は暇になっちゃったな？絵本でも読むか？」
「ノンタン！」
潤もイイ顔して笑ってる。
「あひゃ、好きだね〜ノンタン。持っておいで、読んであげるから」
その時、バスルームから、
「ぎゃーっ、いった〜い！」
って、和の泣き声が聞こえて、俺は反射的に立ち上がりバスルームに走って行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
虹(プロフ) - 智宮SKさん» 智宮SKさん、返信ありがとうございます！良かったー(*^O^*)気に入って頂けて。また機会がありましたらリクエストお願いします！これからもどうぞよろしくお願いします(^o^ゞ (2018年12月8日 23時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
智宮SK(プロフ) - ありがとうございます！先程読ませていただきました。こんなに早く作っていただけるとは思っていなかったので驚きです！家族の優しさと暖かさに溢れているとっても可愛い作品で、心が暖かくなりました。これからも応援しています！ぜひまたリクエストさせてください！ (2018年12月8日 22時) (レス) id: 386f8f3e08 (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 智宮SKさん» 智宮SKさん、リクエスト終了しました。part7で公開しています。ぜひご覧下さい。ご希望に添えてると良いのですが…(*^O^*) (2018年12月8日 22時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 桜＊潤さん» 桜＊潤さん、コメントありがとうございます！可愛い診察、伝わって嬉しいです♪話を無理やり繋げてしまいましたけど、こちらも伝わって良かったです。これからもよろしくお願いします(^O^) (2018年12月7日 14時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
桜＊潤(プロフ) - 翔パパが体調崩すのは珍しいけど色々あったからだろうけどね。でも可愛い診察されたら回復も早いよね。 (2018年12月6日 19時) (レス) id: ed324fff49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：虹
| 作成日時：2018年12月5日 16時
