トラウマ治療(雅紀) 3 ページ36
雅紀サイド
翌朝、やっぱり眠れなくて、ぼーっとしたまま朝食のテーブルについた。
「雅紀、無理して食べなくて良いからね。車酔いすると辛いから。
みそ汁ぐらいは食べれそう？」
俺がゆかに気を遣って無理して食べない様に言ってくれた智にぃ。
「うん、みそ汁なら食べれる」
病院に行くだけで、どれだけビビってんだよって自分にツッコミたくなるけど、怖いものは怖い。
早々に食べ終わり、出かける準備をするからと部屋に戻った俺は、ベッドに倒れ込んだ。
着替えて準備しなきゃって思うけど体を起こすのさえ億劫だ。
"コンコン"
「雅紀、入るよー」
一向に出てこない俺を心配したのか、智にぃが部屋に来てくれた。
「ふふふっ、ストライキ？」
「ち、違うよ。ちょっと横になってただけ」
「そう、なら良いけど。何か手伝う？」
「ううん。着替えるだけだから、下で待ってて？」
「わかった、待ってるね」
すんなり出て行った智にぃを見送り、盛大に溜息を吐いた俺は、渋々ながら着替えをして１階に下りた。
「ごめん、お待たせ」
「じゃ行こう」
ってふにゃっと笑った智にぃの後ろに続いて家から出た。
昨夜眠れなかった俺は車の振動が心地良くて、病院に着くまでずっと寝ていた。
「少しでも眠れて良かったね？顔色良くなったよ」
「うん、頭が軽くなった」
機械での再診受け付けを済ませて、３階の診察室に向かう。
程なく呼ばれた俺は、緊張しながらスライドドアを開ける。
「おはようございます。よろしくお願いします」
城島先生の診察はもう４回目なのに、未だに馴れなくて、こんなにも人見知りだったんだと気付かされる。
「えっと、今日は…あのぅ、付き添いで…」
「大野智です。櫻井と同じところで小児科医やってます」
智にぃが気を利かせて自己紹介してくれた。
「あー、櫻井から聞いてます。児童精神専門の、ですよね？」
「そうです。今日は一緒に色々伺いたくて来ました」
城島先生は初対面の智にぃともあっという間に打ち解けた様子で、
「今日は一人とちゃうから心強いなぁ」
って、言って豪快に笑った。
２人のやり取りを聞いて少し緊張が解けた俺は、促されてようやく椅子に座った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
虹(プロフ) - 雅宗 潤美さん» はい！よろしくお願いします。楽しく読んで頂けるのが何より嬉しいんです♪ (2018年12月3日 23時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
雅宗 潤美(プロフ) - 虹さん» 虹さん！早くも返信して下さり、ありがとうございます！応援くらいしか出来ませんが、勝手に楽しく読ませて頂いています♪こちらこそ宜しくお願いします( ´∀｀) (2018年12月3日 23時) (レス) id: 55d3a0233c (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 雅宗 潤美さん» 雅宗 潤美さん♪初めまして！ステップファミリーを応援して下さってありがとうございます(*^O^*)和くん潤くんの成長は書いてても凄く楽しいです。また明日も頑張ります。これからもよろしくお願いします(*｀・ω-)ノ (2018年12月3日 23時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
雅宗 潤美(プロフ) - 虹さん初めまして！またステップファミリーを読むことが出来てとても嬉しいです！成長していく子供達が大好きでこれからも応援させてください！ (2018年12月3日 23時) (レス) id: 8e5b3cdf80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：虹
| 作成日時：2018年12月3日 13時
