告白(雅紀) 7 ページ41
翔サイド
部屋に戻ってベッドに入ってからも、中々眠れなくて、ずっとこれからのことを考えていた。
やっと眠れたのは、空が薄明かるくなってからだった。
『パ〜パ！』
誰かが呼ぶ声と頬の違和感でゆっくりと意識が浮上していく。
少しずつ回転し始めた頭で、昨日は和と寝たことを思い出した。
一時は独りで寝ていた和だけど、ののかちゃんを預かったのを契機に、また誰かと寝るようになった。
コロンと横向きになって、まだまだ小さい体を腕の中に閉じ込めれば、
「くふふっ」
って、可愛い笑い声が聞こえてきた。
「パパ？おしっこ出ちゃったぁ」
甘ったれた声で言うと、俺の首に腕を回し胸に顔を擦り付けてきた。
やっとしゃべれる位まで頭が起きてきて、
「ふふっ、おはよ。
ん、出ちゃったな。起きて着替えるか〜」
掛け布団をガバッと勢いよく捲って起き上がった。
和の両手を持って立たせ、軽く引っ張ると、ピョンとベッドから飛び降りた。
「うぅ、今日は寒いぐらいだね？
風邪引いちゃう、急ごう！」
2人して急ぎ足で1階まで下り、和室に入る。
「っ！」
人影に体が反応してビクッとなった。
「なんだ〜雅紀か！
何やってんの？こんな朝早くから」
同じようにびっくりしている和の背中をトントンして宥めながら訊くと、
「ん？衣替え？」
何で疑問形なんだよっ(笑)
「おぅ、ありがとな？なんか急に肌寒くなったもんな。そうか、子どもたちの服、まだ半袖ばっかだったからなぁ」
雅紀はこういうところは、本当にマメで良く気が付く。
俺にはできないこと(笑)
「和、さっそく長Ｔ着る？」
今年の春に買ってやったお気に入りのＴシャツを見せると、
「あ、これ！和くんこれ着るぅ。パパやって？」
さらりと、着替えさせてくれと頼んできた和に、にやける顔を必死で隠し、
「何だよ和ぅ、できるだろー？お着替えぐらい」
なんて言ってみる俺は、かなりヤバい…
そんな俺たちに雅紀は、
「翔パパに着せてもらいたいんだよな？
って、和これダメじゃん！袖、短っ！」
春に大きめのを買ってやったのに、着せてみると袖口から和の白い肌が見えている。
「はははっ、ホントだ。和、おっきくなったな？」
親をやっていて嬉しい瞬間にまた出くわした。
そう…俺はこんな何気ない一瞬一瞬を大事にしていきたいんだ。
和や潤の成長を見守るって、みんなで決めただろ？
みんなで笑って暮らせる方法、早く探さないと…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 212人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：虹
| 作成日時：2018年12月10日 22時
