【ars】ステップファミリー 13 (ページ35)

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告白(雅紀) ページ35

雅紀サイド

俺には今、にぃたちにどうしても話せないでいることがある。

でももう隠してるのも限界で、この2,3日ずっとその事ばかり考えていて、おかしくなりそう。

それで今日こそは話そうと決意したんだ。

3連休でもあるし、翔にぃがオンコール当番で、何処にも出掛けられないから…

一時は先に智にぃだけに話そうかとも思ったんだけど、それだと翔にぃを除け者にしたみたいな形になって、気まずくなるかもしれない。

子どもたちが寝て、大人タイムになったら話そうと思っているんだけど、夕食前から既に落ち着かなくなっている。

無駄な動きが多くなって、翔にぃに『何、ウロウロしてんだよ？』って言われたり、智にぃには『何でも話して？』って言われてしまった。

もしかしたら智にぃは、俺がこれから話すことに気付いているのかも。

そう思うと、更に俺の心臓はドキドキと忙しく動き出す。

夕食も何をどう食べたのかも覚えてない。

初めてオペに入った時より、緊張してるかも…

夜、和が翔にぃ、潤が俺を指名して寝かせることになった。

俺の部屋に潤を連れて行き、ベッドに入ってもずっと、どう打ち明けるかってことばかり考えている。

潤は疲れていたのか、小さな手で俺のＴシャツをキュっと握りしめ、すぐに眠りに。

その寝顔を見ながら、今から話すことのシュミレーションを繰り返す。

「雅紀、お疲れ。長かったね？中々寝なかったんだね？」

「う、うん…」

何とも曖昧な返事をして、いつもの席についた俺。翔にぃは俺の前に座って、コーヒーを飲んでいる。

「和はイチコロだったけどね？同じ生活してても、疲れ方が違うんだな？」

そう言われただけで、また心臓がドクンと音を立てる。

まるで俺が今から話そうとしていることを知っているんじゃないか。寝かしつけに時間が掛かったって嘘を吐いたことがバレてるじゃないか。翔にぃの何気ない言葉にでも、勝手にそんな事を考えてしまって…

もう早く話してしまおう。
それしかこの苦しさから逃れる方法はない。

俺はゆかをチラッと見て、大きく深呼吸をし、

「智にぃ、翔にぃ。俺、2人に聞いて欲しいことがあるんだ。大事な話だから…

今から話しても良い？」

何度もシュミレーションを重ねた言葉を、震える声で絞り出す。

目の前でコーヒーカップを持ち上げたまま、固まってしまった翔にぃ。

智にぃはテーブルに肘をついて寛いでいたのに、サッと姿勢を正して俺の顔を見た。