【ars】ステップファミリー 13 (ページ24)

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一番が良い！(和也＆潤) 24 ページ24

智サイド

翔に保育園まで送ってもらい、保育園まで迎えに行くと、太一先生に抱っこされている和。

「お世話になってまーす。
ただいま、和。抱っこしてもらってんの？良かったね？」

和に声を掛けると、急に涙をポロポロ溢しながら、僕に向かって倒れ込むようにして移ってきた。
しっかり抱き止めて、もう一度ただいま、と声を掛けると、今度は僕の首に腕を回してしがみついた。

そんな僕らを見ていた先生が、

「今日はずーっと『パパ』って言ってたんですよ？待ちくたびれたんだよね、和くん？」

太一先生がそう言うと、僕の首元に顔を埋めていた和がコクコク頷いているのが分かった(苦笑)

「潤くん、お休みなので今日は殆んどの時間2人で静かに過ごしてました」

ニコニコしながら報告してくれた太一先生に、丁寧にお礼を言って、保育園を出た。

週末で荷物が多くて、大変だけど和と荷物を懸命に抱えて歩き始めると、

「和くん歩くぅ」

するするっと僕の腕の中から下りると、小さなぷにぷにの手を出して、僕の手を待っていて。

その手をしっかりと握ると、ニコっていつもの和の笑顔に。

「さぁ、帰ろ？みんな待ってるよ？」

手を繋いで、日が短くなってすっかり日が暮れた道を歩き始めた。

時々僕の顔を見ながら歩いている和に、

「どした？何か言いたいことあるんじゃない？」

って訊いてあげた。

「和くんね？」

小首を傾げて話始めたから、黙って続きを待つ。

「和くん、一番がいいの」

そう、呟いた。

一瞬何のことか分からず、動きを止めてしまった僕に尚も続ける和。

「赤ちゃんが一番でヤだった。翔パパに抱っこしてもらうの、和くんと潤くんが一番だもん」

って。

それを聞いて、少し胸が痛んだけど、ちゃんと話してくれたのが嬉しくて、僕は足を止め和の前にしゃがんだ。

「和、教えてくれてありがとう。
一番が良かったんだね？ごめんね、気付かなくて。でもね、安心して？和と潤はずーっと一番だよ？」

小さな心をヤキモチで一杯にして、辛かったんだろうと思うと、僕まで辛くなった。

「和くんもごめんなさい。
いっぱいイタズラしちゃった…」

そう言って項垂れる和に、

「ははっ、どんなイタズラしたの？」

立ち上がって、もう一度手を繋いで歩きながら聞くと、ばつ悪そうに、

「ないしょ…」

だって(笑)

良いよ、イタズラぐらいしたって。

そう思いながら頭をポンポンってしたら、僕を見上げてまたニコって笑った。