【ars】ステップファミリー 13 (ページ23)

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一番が良い！(和也＆潤) 23 ページ23

翔サイド

「雅紀、今日1日頼むな？明日は休みだから俺たちで何とかする。月曜から仕事なのに、ホントすまん」

何かと家にいる雅紀とゆかに皺寄せが行ってしまう現状に、モヤモヤするけど今はこうするしかなくて、俺と智にぃは雅紀に頭を下げた。

「ひゃはは、何？2人とも。止めてよそんな他人行儀なこと。俺だってパパだよって何度言えばいいの？
任せなさい、まーにぃに！(笑)」

そんな俺らの気持ちを思いやって、笑顔で言ってくれる雅紀。

「じゃ、行ってきます。
あ、そうだ。雅紀のベッド片付けたからね？シーツ剥がして、マットレス立てて乾かしてるから」

「あー、ありがとう！さっきやろうと思って忘れてたぁ」

相変わらずデカい声(笑)

俺は和の頭を撫で、『行ってくるね？』って。

和は、うるうるの目をして俺たちを見ていたけど、雅紀に凭れ掛かって力なく手をヒラヒラさせた。

「じゃな。何かあったら携帯に連絡して？今日はずっと持ってるようにするから」

和室にののかちゃんの様子を見に行っていた智にぃが戻って来たのを見て、俺は雅紀にそう声をかけ、ドアを開けた。

その日の仕事は智にぃがしっかり根回ししてくれたお陰で、定時に上がることができ、智にぃと保育園に向かった。

駐車場で待っていると言う俺に、

「明日休みだし、和と散歩しながらゆっくり歩いて帰るから」

その言葉に、和と2人きりの時間を持ちたいんだと理解した俺は、智にぃを降ろしてすぐに車を発車させた。

家に帰ると、俺のただいまには何の反応もなくて…

心配になり、バタバタとリビングに入ると、何やら楽しそうな声が聞こえてきた。

「ただいま」

もう一度声を掛けると、

「ぱ～ぱ！」

潤が飛び付いて来た。

「おっ、何か久々に元気そうじゃん！」

フラッシュバックを起こしてから、保育園にも行かせられない位、元気のなかった潤が笑顔を見せてくれて、嬉しさのあまり高々と抱き上げた。

「雅紀、お前どんな技使ったの？朝と全然違う顔してんだけど、潤」

雅紀の向日葵のような笑顔と一緒に１日を過ごすと、こんなに笑顔になんの？

そんな想いを込めて言うと、

「くはっ(笑)何？俺に妬いてんの？」

「ちげーよ。んな訳あるか！」

ちょっと乱暴な言葉で、言い放ったら種明かしをしてくれた。

今日1日、潤はののかちゃんのお世話を手伝っていたらしい。と言っても、おむつを運んで来るとか簡単なことらしいけど。

すっかりお兄ちゃん気分なんだって(笑)