お腹が痛い(和&潤) 12 ページ43
雅紀サイド
和を和室に連れて行って服を着せる。
「ぽんぽんまだ痛い？」
翔にぃは離れがたいのか、点滴を持ったままじっーと俺たちを見ている。
「翔にぃ、そんなにのんびりしてて大丈夫？和は俺が看るから朝ごはん食べてきなよ」
俺に言われてハッとした様子で、
「あ、ぅん。そうだな。もうこんな時間かぁ」
って、残念そうに呟いた。
「何かあったらすぐに連絡するから、俺に任せてよ〜」
「別に雅紀が信用できないとか思ってねぇよ。ただ側にいてやれないのが嫌なだけ」
だって。
もう、ホントこの人どこまで親バカになるんだろうって、俺が心配になるくらい。
既に数年前の翔にぃが思い出せない位の変わりっぷりだからね(笑)
仕方ないって感じで点滴をフックに掛けると、部屋から出て行った。
服を着せ終え、
「何か飲む？ポカリかりんごジュースがあるけど、どっちが良い？」
って、聞いたんだけど『いらない』って、また指しゃぶりを始めた。
点滴してるから無理に飲まなくても良いけど、それだといつまでも点滴外せないからなぁ。
俺の腰を跨がるように座らせゆらゆらしていると、寝ないって言ってた割りにはあっさり眠った和。
恥ずかしがったりするようになって、お兄ちゃんになったなって思うこともあれば、こうやってまだまだ幼い姿を見せてくれる。
そこが可愛くて堪らない。翔にぃに親バカってあんまり言えないかもって密かに思った(笑)
暫くして、翔にぃが『行ってきます』って和室に顔を覗かせ小声で言い、出掛けて行った。
翔にぃを見送ると医者は俺ひとりだから、和たちをしっかり見てやらないとって気持ちが大きくなる。
潤もそろそろ起きる時間だし、体調も見てやらないといけないなって考えていると、潤の声が段々近付いて来た。
ゆかが見に行って連れて来てくれたんだろう。
最近、俺たちのチームワーク凄くない？って思う事が多くなった。
何かをしなきゃって思っていると、手の空いている人がパッとやってくれてたりしてさ。
和室に入ってきた潤は俺と視線が合うと、
「はーよ」
「おはよう、潤」
可愛く挨拶してくれる。
そんな潤を抱いたまま、ゆかは俺の横に腰を下ろした。
最近時々、こんな風にしていると夫婦みたいだなって思う事がある。
俺だってゆかだって結婚していて、これくらいの歳の子どもがいたっておかしくないからね。
そのくらい、和や潤、ゆかが俺にとって特別な存在だってこと。
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月7日 15時
