【ars】ステップファミリー 10 (ページ40)

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お腹が痛い(和&潤) 9 ページ40

翔サイド

手早く点滴の準備をした俺は、

「和、少し頑張ってな？これしたらしんどいの楽になるからな？」

と、声を掛ける。

だけどさっきまで弱々しく泣いていたのに、針を刺されるとなると激しく抵抗し始めた和。

でもね、想定内のことだから…

さっとタオルケットで体を包んで、右手を捕まえた。

駆血帯を巻き付け、手をグーにさせて俺の手のひらで握りこむ。

「和、ちょっとだけで良いから動かないで？」

無駄だとは思いながら、そんな言葉を放つ。

「はい、我慢なぁ。
……
終わり、頑張ったな？」

さっとテープを１枚だけ貼ったら、頭をグルグルって混ぜるように撫でてあげると、やっと体から力が抜けてきた。

シーネをつけてしっかり固定を済ませ、

「頑張ったなぁ、和。抱っこしようか？」

膝に乗せて、少し強めに抱き締めた。グスグスと鼻を啜っている和は怒っているのか俺と視線を合わせてくれない。

「かーず、怒ってんの？痛い事したから…」

下を向いたまま、首を横に振っている。

その時、ツンとする臭いが鼻をついてやっと分かった。
和が俺と目を合わさない理由が…

「気にしなくていいんだよ、和。早くぽんぽん痛いの治るといいな？」

音もなく出てしまったうんちのせいで、気持ちまで折れちゃったかな？

涙をポロポロ溢している。こんな時は何も言わずにさっさと取り替えてやった方が良いかなぁ。

粘液の混じった水様便が和の白い肌を赤くしてしまっている。

シャワーで洗ってあげたいけど、点滴があるから独りじゃ無理。
できるだけ丁寧に拭き取った。

おむつ替えが終わって、俺も少しは寝ておかないとって和の横で休むことにした。

「少し待っててな？パパ、手洗ってくるから。戻って来たら一緒に寝んねしような？」

少しの間独りになることを伝えて、俺は後始末と手洗いの為に洗面所に行った。

ウイルスを広めない為に、おむつの処理はキチンとしておかないと。

洗面所にあるゴミ箱におむつを棄て、ビニール袋の口をしっかり閉めた。それを庭の大きなゴミ箱に入れてから、入念に手洗いをした。

「和、お待たせ。寝んねできそうかな？」

点滴のラインに気を付けながら、和の横に寝転んだ俺は、横向きに寝ている和と向かい合わせになって、背中をトントンしてやった。

体力を奪われたみたいですぐに寝息を立て始めた和を見て、安心したら俺にも眠気が襲ってきた。

その眠気に抵抗することなく、あっという間に深い眠りに落ちて行った。