お腹が痛い(和&潤) 6 ページ37
翔サイド
「とにかくみんな手洗いだけはきちっとやって？
そんな事今更言わなくても分かってると思うけど、よろしくね？」
アデノウイルスは感染力が高い上に、症状がなくなってからも長く体内に残る。だからこの先1ヶ月は気を付けないといけない。
可哀想だけどこの時期にかかると、この夏の保育園でのプール遊びはほぼ不可能。
その分家でやらせてあげれば良いけどね。
俺に抱かれてうとうとしていた和だけど、またお腹が痛み出したみたいで、
「パパー、うんち出るぅ」
って、泣きそうな声で言ってきた。
「ん、分かった。お腹痛い？」
「痛い…ちょっとだけ」
今日より明日の方が酷いだろうなって思いながら、和をトイレに連れて行く。
やはり水様便で、気温も高いから脱水が心配になる。
「もう良い？」
「や、まだ」
排泄音がしないから治まったかと思って聞いてみたけどダメみたい。
「分かった。急がなくていいからな？」
それから随分長い時間トイレにいた。
「和、1回出ようか？お腹冷えちゃうよ」
それでも嫌だと言い張る和に違和感を覚え、
「お腹、グルグルしてんの？」
って、聞いてみる。
「ぅん、まだ出るかも…」
「そっか、辛いなぁ。
和、嫌だってパパ知ってるけど、おむつしようよ。そうしたら安心でしょ？
トイレにずっといたら寝んねもできないよ？」
そう提案してみた。
「和くん恥ずかしくない？笑われない？赤ちゃんになんない？」
って、心配そうに聞いてくる。
何ていじらしい事を言うんだろうと思い、ほっぺを両手で挟み、おでことおでこをくっつけて、
「大丈夫。恥ずかしくなんかないよ？和はちゃんと5才のお兄ちゃんだよ。病気なんだから誰も笑ったりもしない」
って、言ってあげたんだけど…
それでもまだ心配なのか、
「パパ、内緒にしてくれる？和くん恥ずかしい…」
なんて、可愛いお願いをしてきた。
あまりに可愛い過ぎて笑いそうになったけどグッと堪えて、
「分かった内緒な？だけど大人は良いでしょ。智パパとまーにぃとゆかねぇ。潤には言わない」
どう？って感じで顔を覗き込むと、
「ぉともだちにもな、しょがい…」
って、今度はすごーく小さな声で。
「お友だちになんて言うわけないじゃん。
保育園はお休みするから、大丈夫」
それを聞いてやっと、
「おむつする…」
って(苦笑)
和はホントに繊細な子だって再確認した。
ちゃんとみんなに箝口令敷いておかないと。
俺嘘つきになっちゃうよ(笑)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月7日 15時
