お腹が痛い(和&潤) ページ32
雅紀サイド
いつも通り保育園に迎えに行って、帰ってきたんだけど何だか和の様子がおかしい。
「和、ちょっとおいで？」
手洗いとうがいを済ませ、ソファに座った俺は和を呼び寄せた。
「なーに？」
すぐに俺のところに来た和を膝に乗せ、額に手を当て、
「和、しんどい？熱はないみたいだけど、どっか痛い？」
「ん〜痛くな〜い！でもちょっとだけ変」
何とも微妙な返事。
「どこが変？」
もう一度訊いてみる。
「分かんな〜い。でも変…」
5才の子どもに的確に体調の変化を伝えろって言うのは無理なんだろう。
「そっか、分かった。じゃあ、どっか痛いとか辛いとか何かあったらすぐにまーにぃに教えて？」
はーいって返事は元気にしてくれたけど、やっぱりどこかいつもと違うんだろうな。
帰宅後のこの時間は、保育園でお昼寝してきているからいつもは凄く元気で、日が長いこの時期なら庭に出て遊んだりするのに。
今日はおもちゃも出さず、ソファやラグの上でゴロゴロしてる。
にぃたちが帰って来たら診てもらえば良いかな。
そう思って、今すぐどうにかしなくちゃいけない程の事もないからと、そっとしておいた。
潤がちょっかい出しに行かないようにだけ注意して。
「ただいまー」
「お帰り。独り？」
「うん、翔は帰りがけに捕まっちゃった、病棟で」
「あちゃ〜、そりゃ残念だったね」
今日は当直じゃないから揃って帰って来ると思っていたのに。
「和がさぁ、ちょっとしんどそうなんだよね。大したことはないみたいなんだけど、ずっとゴロゴロしてるから、ちょっと気を付けてた方が良いかも」
「ふぅ〜ん、そうなんだ。どしたんだろ？」
口を尖らせてそう言った智にぃは、和が転がっているラグに着替えもせずに座って、
「和、ただいま。ちょっとしんどいの？どれ、パパにみせて？」
「や〜だ。和くん、抱っこがいい〜」
診察しようって言っているのに甘い声を出して、智にぃによじ登っていき膝にちょこんと座る和。
「ふははっ、ホントだ。本調子じゃないね。この感じ」
「でしょ？この時間はもっとアクティブだよね？」
親なら分かるっていう、子どもの微妙な変化。俺もそういうのが分かるようになったのかって、具合が悪い和には悪いけどちょっと嬉しかったりする。
「風邪の引き始めかな？じゃ早めにさっとシャワーだけ浴びさせるわ」
そう言うと、さっさと支度をしに2階に上がって行った。
早めの対処で酷くならないと良いけど…
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月7日 15時
