【ars】ステップファミリー 10 (ページ29)

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一難去ってまた一難 28 ページ29

雅紀サイド

ゆかの容態が安定していて、明日にでも子どもたちを会わせられるかな、なんて話ながら帰って来た。

俺たちを出迎えてくれた和と潤はお風呂上がりの着替え途中。

そんな2人をひとりずつ抱っこして、わいわい言いながらリビングに入って、びっくり…

「えーっ！何これー！」

思わず叫んでしまった。

エアコンがついているのに、庭に続くサッシは開けっ放し。

その手前には2人の濡れた服がばらばらに放置。

テーブルの上には、スイカが食べ散らかしてあって、ソファの上にはこれまた2人の服が脱ぎ散らかしてある。

「え～っと、泥棒でも入ったんですか？」

思わず言ってしまった俺。

「あー、すまん。これから片付ける…よ？」

翔にぃってホントに片付けが苦手なんだね。
知ってたけど、ここまで酷いとは。

「で、何でこの服はこんなにビショビショなの？」

「あ、そ、それはね…
ちょっと油断してたら勝手にプールに入っちゃった、的な？」

「は？何それ。
あー分かった！翔にぃ、寝ちゃったでしょ？」

俺がそう言うと、

「すまん！」

だって(笑)

「あひゃひゃ、翔にぃしっかりしてよ～」

「マジ焦った。ホント何でもなくて良かった。これから気をつける。ごめんなさい…」

こんなに小さくなってる翔にぃ見たことなくて、

「俺もごめんなさい。ちゃんと片しておけば良かったね。事故にならなくて良かった…」

「それにしても、散らかし過ぎじゃない？僅か数時間留守にしただけなのに…」

翔にぃの片付けのできなさ加減は半端ないって事が改めて証明された(苦笑)

仕事はあんなにテキパキできるのにね？

智にぃと顔を見合わせて笑ってしまった。

あんまり責めると可哀想だから、話題を変えて、

「ゆかね、ただの風邪だって。検査は全部異常なし。だから週明けには退院できるって」

「そうかー、良かった…
膠原病とかリウマチ熱とかだと厄介だなって思ってたから」

みんな言わなかったけど、俺も含めてそんな病気だったらって考えていたんだ…

風邪と分かって初めてそんな不安を口にした翔にぃ。

「明日にでも連絡して熱が高くなかったら、お見舞いに行こう？
そしたら和も潤も安心するでしょ？」

「おう、そうだな。ちゃんと病院にいるところを見せた方が安心するかもな？」

居場所が判れば、子どもなりに納得するのかも。
明後日まで我慢させても良いけど今後のこともあるから、入院を理解させるためにも連れて行くことにした。