一難去ってまた一難 27 ページ28
翔サイド
雅紀と智にぃが出掛けて暫くは2人の横でジャーナルを読んでいた。
だけど日頃の疲れからか次第に瞼が重くなってきて、何度もジャーナルを顔の上に落としそうになる。
寝たらダメ、子どもたちが起きたらどうするんだって思いながらも、強烈な睡魔には敵わず、眠りに落ちてしまった。
『きゃはは！！』
『ひゃは！潤く〜ん、待って！ひゃはは！』
遠くで聞こえる和と潤の声。
覚醒しない意識の中で2人が何をしているのかを考える……
"パシャッ、バシャッ！"
『きゃはは！！』
「あっ！プールっ！」
庭の方から声がしていて、ヤバいと慌てて和室から這って庭の見える位置まで移動した。
あっちゃ〜！
服のままプールに入っている2人。
「和、潤？」
「パパーっ！」
いけないことをしている自覚が全くない潤は、満面の笑みで俺を呼ぶ。
「おはよ！パパ」
和もずぶ濡れの髪の毛から滴を垂らしながら笑顔を向けてくる。
「はははっ、楽しいの？」
子どもたちとは対照的に乾いた笑いを浮かべながらそう聞くのが精一杯の俺。
とにかく、事故が起きなくて良かった。
ホッとすると同時に油断してしまった自分に激しい怒りが湧いてきた。
「ぱっぱー！おいで〜」
そんな俺の気持ちなんて知るよしもない潤は無邪気にいつも自分が言われる様に俺を呼ぶ。
そんな潤が可愛くて、俺の落ち込みも一瞬にして消え去り、
「よし！一緒に遊ぶか〜！」
ビニールプールに足を入れ、水鉄砲で撃ってやると2人から一斉に歓声が挙がる。
一頻り遊んで、おやつに誘うと満足したのか素直に上がってくれた。
雅紀が用意してくれていた、スイカを頬張り、いつになく笑顔が溢れている。
スイカでベトベトになった２人を
「シャワーするか？」
って、誘うとこれまた、大賛成とばかりに嬉しそうに服を脱ぎ始めた。
潤はズボンを脱いだだけで俺の前に来て、
『続きはパパがやってね？』
とでも言うように、足にしがみついてくる。
リビングで裸ん坊になった2人を連れてバスルームに行き、シャワーを浴びさせた。
シャワーから出て和室で服を着せていると、雅紀と智にぃの声がした。
『ただいまー』
上半身裸の和とおむつ一丁の潤が揃って玄関まで出迎えに。
一気に賑やかになり、その声が段々和室に近付いて来て、
「えーっ！何これー！」
驚きの声をあげる雅紀。
何があったんだろ？
俺はリビングに出て様子を伺った。
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月7日 15時
