一難去ってまた一難 2 ページ3
智サイド
和とゆかの声が聞こえて、目を覚ました。
ベッドの中で今日の予定を思い浮かべ、ざっくり1日の予定を立てる。
今日は外来があるから午後は忙しい。
定時で帰るのは難しいだろうから、保育園のお迎えは行けない。
翔は当直だから1人で帰る事になるなぁって思っていると、ドアがノックされ、
「智にぃ、起きてる？もうすぐ朝ごはんができるからね？」
ドアの向こうでゆかの声がした。
「おはよー。起きてるよ。すぐに下りるからー」
返事をして、起き上がりグッと伸びをした。
「よし、今日も1日頑張ろう」
声に出して言うと、朝のスイッチが入るんだよね(笑)
ベッドから下り廊下に出ると、翔の部屋で声がしている。
「やーー！」
朝からイヤイヤ全開の潤。
顔が見たくなって翔の部屋を覗くと、ベッドの下に寝転がり、手足をバタつかせている(苦笑)
「じゅーん、どうしたの？朝から凄いね？」
困り顔の翔を見ると、お手上げのポーズで答えてくれた。
「ホント、寝起き悪いわ。
ゆかが起こしただけで、何もしてなくてこれだからね？どうしようもない(苦笑)」
部屋にいたゆかも、
「今日は特にご機嫌斜めだね？体調が悪いとかじゃないよね？」
って、心配してる。
「どれ、智パパが診てあげようか」
潤に近付き、体に触れようと手を伸ばしたら、
「やーの！あっちいってー！」
全力で拒否。
「こら、潤。何でそういうこと言うの？
ダメでしょ？」
寝癖がついたままの姿でベッドの上から言う翔は、眉間に皺を寄せている。
「仕方ないね。イヤイヤ言ってる間は放っておくしかないか〜」
自分の部屋に戻って、準備をしようと思い振り返るとゆかと目が合った。
「あれ？ゆか、具合悪いの？」
目が潤んでいて、顔もほんのり紅い気がして聞いてみる。
「あ、ん？そう？別に何ともない、よ？」
明らかに挙動不審な態度でそう答えるゆか。
どうしてうちの家族はこう体調不良を隠すんだろ？
まあ、僕も人の事は言えないんだけど。
「何、ゆか具合悪いの？俺が診てあげようか？熱測った？」
いきなり、医者のスイッチをオンにしてゆかに詰め寄る翔。
「翔、そんなに質問攻めしないの。ゆかは子どもじゃないんだから、具合が悪ければ自分からちゃんと言うよね？」
翔がゆかに色々聞いたこのタイミングで、やんわりと『体調が悪いんだっら、言ってね』と伝える。
翔にはちょっと悪い事しちゃったかな？って思いながら、部屋に戻った。
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月7日 15時
