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逃げ出したくなるような記憶を押し込めた秘密の小箱がガタガタ震える
ガンガンと打ち付けるような痛みを抑えてベッドから起き上がって机の上に置いてあったスマホを取る
………いらない写真、消さなきゃ
空きが無くなる前に要らないものは捨てる
母の口癖はいつしか呪いのように体に染み込んでいた
お気に入りに残っていた不器用な文章
…………全部消したと思ってたのに
古傷のように鎖骨の辺りが傷んで、思わず顰めた顔
『明日 22：30 いつもの』
留めたい記憶に釣られるように小箱から顔を出した苦い記憶
彼が私へ向けた瞳は、明らかに蔑んでいて＿＿
駄目だ、あんな夜なんて思い出したくないのに
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作者名：Sarah | 作成日時：2018年7月9日 12時
