6 忘却 ページ8
「…。」
「Aさん…」
帰り道、しのぶと2人でいつもの道を歩いた。でも、こんな気持ちで2人並んで歩いたことは、今までで初めて。
「いつか不死川先生も思い出してくれますよ。Aさんのこともちゃんと。」
そう、実弥さんは今、“私の事だけ”思い出せていない。
･
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「私の事だけ、ですか…？」
あの後、「ちょっと、手伝って欲しいことがある、お前ら2人と、あと伊黒も。」
と、宇髄先生が私たちと伊黒先生を職員室とは別のところに連れ出した。
手伝いなんてものはない。
私に実弥さんのことを説明するための口実だった。
「そうだ。不死川は前世の記憶はある。
だが、何故かお前の記憶だけがないらしい。
今日お前に、『いい事あるかもな』って言ったのは不死川のことなんだが、お前も不死川も思い出すはずだと思ってよ…誤算だった。
マジで申し訳ねえ。」
宇髄先生は目を伏せて謝った。
宇髄先生は悪くない。
だから、「大丈夫です」とは言ったけど、ほとんど声が出なかった。
「不死川がそもそも前世を思い出したのは、つい最近の事だ。
思い出したのならお前のことを話すと思っていたが一向に話が出ず、不思議に思っていたら、そういうわけだった。」
伊黒先生も下を向いて静かに話した。
「でも、不死川先生もいつか思い出してくれますよね？何かAさんのお話をしてみれば…」
しのぶがそう言うと、宇髄先生は首を振った。
「だめだ。そもそも、前世の記憶があること自体珍しいんだ。
知らねえ記憶の事を話されても混乱させるだけだし、それに…なあ？」
宇髄先生は、伊黒先生に視線を送った。
「…今はとにかく教師と生徒という関係だ。
変に前世は恋人同士だったとか話すと色々と複雑になるだろう。
だから俺たちからは話さない。周りのヤツらにも話させない。
他の者も同様に、記憶のないことは基本話をしないという暗黙のルールがある。」
確かに、今まで記憶がなかった時、あまり前世で自分がどうだったとか話をされることはなかった。
今考えると私の周りの人達は配慮してくれてたんだな。
「というわけで、無理に思い出させようとはしねえ。
いつ思い出すのか…分からねえが、あまり期待しないほうがいいかもしれねえ。
ずっと思い出せずにいる奴らもいるから…
…まあ、辛いだろうが気長に待つしかねえな。」
宇髄先生は、辛くなったり困ったりしたら俺たちを頼れ、と私の肩に手をポンと置き、悲しげな笑顔を見せた。
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さらりとクマ(プロフ) - nさん» ええええええ？！天才…？！ぷろ…？！全くもってくそくそど素人ですが、そのようにお褒め頂けてハッピーです…！続編の更新の方もう暫しお待ちくださいませ…！コメントありがとうございます！！！ (2021年10月23日 12時) (
レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
n - この小説書かれた方、、天才ですか❓話の構成や、ラブシーンも上手すぎます。。。プロの作家が書いてるのかな。と、疑ってしまいます。 (2021年10月20日 23時) (レス) id: 2858fa56d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - 私は風柱様ひとつじだどね粉雪ちやんも風柱様にほれたんじやないかなここにきて (2021年10月2日 10時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - 粉雪さん» あっらー！粉雪様！いつもお読み頂き誠に有難うございます！！いいではありませんか推し変！！でも煉獄さんもかっけーですよねぇ…完結までには不死川さん推しになってるように推し変パワー込めてお話書きますね！？頑張りますーー！！ (2021年9月5日 22時) (レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
粉雪 - 前世のお話から読んでます！いつも楽しませて頂いております。私は煉獄さん押しなのですが、この作品を読むたびに不死川さん押しに転換しようかと思ってしまいます…！これからも楽しみです！応援しております！ (2021年9月5日 14時) (レス) id: 33866b80ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらりとクマ | 作成日時：2021年7月18日 21時
