35 名前 ページ38
「黒城のことも何とも思ってねぇのかあ？」
「ッ、ゲホッけほっけほっ」
「死にそうだぞォ。大丈夫かァ？」
宇髄先生、何聞いちゃってるの？？
よりによって私はコーラを飲んで盛大にむせて涙が止まらない。
そんな私を心配した不死川先生は箱のティッシュを差し出してくれた。こんなところ見られて恥ずかしい…
「地味に話をそらそうとすんじゃねぇぞ？」
「黒城ってのは知らねえなァ。」
「いちいち黒城って呼んでる女は時透Aだってこと説明しなきゃなんねぇか？！地味にだりぃぞ！！」
先生はティッシュを差し出した後も、テレビに視線を戻し、質問をスルーしようとする。
テレビに映るCMは以前からよく流れていて、決して見入るような内容では無かった。
「だりィのはテメェだろォ。コイツは生徒だ。それ以上でもそれ以下でもねェ。」
心臓に少しだけ、針先が刺さったような小さな痛みを感じた。
これくらいの痛みで済んだのは、前から分かっていたことだったし自分が理想を渇望せず現実を受け入れ始めてたお陰だと思う。
でも、やっぱり…
「…あっそォ。てか苗字でも名前でも呼んでねぇの？授業のときなんて呼んでんの？」
少し話題が変わった。
宇髄先生ならそのまま先生が私をどう思ってるか深掘りしていくと思っていた。
変えてくれてよかった。深掘りしていっても、私の気持ちは救われない。
「別にいいだろどう呼ぼうが。苗字は双子のヤツらがいて紛らわしい。授業は基本出席番号だし。」
そう、私は先生に苗字も名前も呼ばれたことない。
呼ばれるとしたら、お前、18番、数学教科委員。
苗字が被ってたりする人たちのことは名前だし、密かに羨ましいと思ってた。
「今のだと名前で呼ばねェ理由はなさそうだな？何か理由はおアリですかな？」
「…宇髄ィ、テメェなァ」
先生の顔が一層険しくなる。
「よし、黒城のこと名前で呼べよ。今、はい！」
「ハァ？ンでだよ言わねェ。」
「採用試験の勉強で人権教育っつーのやんなかったのか？ちゃんと名前があんだから生徒を名前で呼ばないとなあ教師は！」
「そういう時だけ教師ぶりやがって。テメェも名前で呼んでねえだろ。」
「それは愛着を込めて！｣
すると、宇髄先生は私の隣へと近づいてきた。
｢ご所望とあらば名前で呼ぶぜ？
名前がいいか？････････････A？」
低く囁かれ、ネイルで鮮やかに彩られた指先が私の顎先に添われた。
綺麗な赤紫色の瞳がすぐ目の前にあった。
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さらりとクマ(プロフ) - nさん» ええええええ？！天才…？！ぷろ…？！全くもってくそくそど素人ですが、そのようにお褒め頂けてハッピーです…！続編の更新の方もう暫しお待ちくださいませ…！コメントありがとうございます！！！ (2021年10月23日 12時) (
レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
n - この小説書かれた方、、天才ですか❓話の構成や、ラブシーンも上手すぎます。。。プロの作家が書いてるのかな。と、疑ってしまいます。 (2021年10月20日 23時) (レス) id: 2858fa56d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - 私は風柱様ひとつじだどね粉雪ちやんも風柱様にほれたんじやないかなここにきて (2021年10月2日 10時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - 粉雪さん» あっらー！粉雪様！いつもお読み頂き誠に有難うございます！！いいではありませんか推し変！！でも煉獄さんもかっけーですよねぇ…完結までには不死川さん推しになってるように推し変パワー込めてお話書きますね！？頑張りますーー！！ (2021年9月5日 22時) (レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
粉雪 - 前世のお話から読んでます！いつも楽しませて頂いております。私は煉獄さん押しなのですが、この作品を読むたびに不死川さん押しに転換しようかと思ってしまいます…！これからも楽しみです！応援しております！ (2021年9月5日 14時) (レス) id: 33866b80ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらりとクマ | 作成日時：2021年7月18日 21時
