17 前向き ページ19
ﾌﾞｰﾝ…
「「…。」」
不死川先生の車に乗った。
先生の車は5人乗りのグレーの普通車だった。
後ろの席はよく家族が乗るんだろうか、後ろがいっぱいだからと助手席に座るように言われた。
たまに道を案内するけれど、この小さな空間での無言に耐えられず、何故か持つように言われたマカロン型のもちもちのクッションを密かにもちもちしていた。
もちもち気持ちいいな…
「お前、…てんのかィ。」
「…はい…？」
道のことを聞くと思ったら、どうやら違ったようで、先生が何て言ったのか聞き逃してしまった。
案の定、先生は面倒くさそうな顔をした。
「今、大学目指してんのかって聞いてんだァ。」
「あ、すみません。い、一応目指してます…。」
一応両親は、大学行くお金はなんとかできるから行きたければ行きなさいと言われている。
だけど、正直大学に行ってどうしたいとか、その後何になりたいとかがないのに、行っていいのかなって考えていた。
「今までの成績と進路希望を見た。」
…え、私の？
ええ見られたのか。
別に成績は見られてもいいけど、進路希望はほぼ空欄で、何か言われた時だけとりあえず大学進学って書いてきた。
進路に対してテキトーだと思われたかな…
ちゃんとしろとか言われるかな…
すると、信号が赤になって車が止まり、少し車内が静かになった。
先生は前を見たまま話した。
「何になりてぇかは大学で決めればいい。
とりあえず勉強できるから大学に行くで俺はいいと思う。
それが許されてんのA組じゃ胡蝶とお前くらいだがなァ｣
信号が青になり、車は動き出した。
それ以上先生は喋らなかった。
それから暫く経ち、マンションの近くに着いたので降ろしてもらった。
「もしかして、あそこに住んでんのかィ？」
先生が指さした先は、私と弟たちが住む身に余るほど立派なマンション。
そうです、と答えると先生は特に何も言わなかった。
「そうかィ、んじゃあなァ。」
「はい！送って頂きありがとうございました！失礼します。」
「あァ。」
ﾊﾞﾀﾝ、ﾌﾞｰﾝ…
以外と話が出来た。
ずっと気にしていた進路のこと…先生のおかげで少し前向きになれた気がする。
「ありがとう実弥さん…」
困っていることは大事な人に支えられたいと思った。
そして、改めて近くで先生を見て、やっぱり好きだなと思う。
今だけでいいので、昔の実弥さんを先生に重ねさせてください…。
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さらりとクマ(プロフ) - nさん» ええええええ？！天才…？！ぷろ…？！全くもってくそくそど素人ですが、そのようにお褒め頂けてハッピーです…！続編の更新の方もう暫しお待ちくださいませ…！コメントありがとうございます！！！ (2021年10月23日 12時) (
レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
n - この小説書かれた方、、天才ですか❓話の構成や、ラブシーンも上手すぎます。。。プロの作家が書いてるのかな。と、疑ってしまいます。 (2021年10月20日 23時) (レス) id: 2858fa56d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - 私は風柱様ひとつじだどね粉雪ちやんも風柱様にほれたんじやないかなここにきて (2021年10月2日 10時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - 粉雪さん» あっらー！粉雪様！いつもお読み頂き誠に有難うございます！！いいではありませんか推し変！！でも煉獄さんもかっけーですよねぇ…完結までには不死川さん推しになってるように推し変パワー込めてお話書きますね！？頑張りますーー！！ (2021年9月5日 22時) (レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
粉雪 - 前世のお話から読んでます！いつも楽しませて頂いております。私は煉獄さん押しなのですが、この作品を読むたびに不死川さん押しに転換しようかと思ってしまいます…！これからも楽しみです！応援しております！ (2021年9月5日 14時) (レス) id: 33866b80ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらりとクマ | 作成日時：2021年7月18日 21時
