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5 不覚 ページ6

約30分無言。
一言も発さずに見てるなど、他人からしたら辛いだろう。
コイツは人の趣味に機会あればハマる性格なのか?


「無言で眺めてつまらなくないか。」


喋る気は無かったが思わず口に出てしまった。


「ご迷惑かと…もしや、喋って欲しいです?」


横目で黒城を見ると少しニヤついていて少し腹が立った。


「そんなこと思ってもいない。
…だが、お前が話をしたければ、話せばいい。聞いてやろう。」


正直図星で、話をしたかった気もあったかもしれない。
俺は本当に素直でなくこんな言い方ばかりの自分に呆れる。


「では遠慮なく…。この前、甘味処でご一緒した時伊黒さん、鬼なんていなければって仰ってましたよね。」


突然何を話し始めたかと思えば、以前の甘味処での話だった。


「あの時うまく話を返せなかったのですが、私も鬼なんていなきゃ良かったと思います。きっと来たる日を乗り越え鬼を滅ぼせば、命を脅かされることもなく、色々なしがらみからも解放され、自由に生きられます。」


しがらみ。まさに俺はそれに囚われている。


「ですから、その時には必ず想いを伝えてあげてくださいね。」


黒城なりに気を使ってくれてるのだろう。しかし、俺は鬼を滅しただけでは伝えられないのだ。


「いつか、な…」

「曖昧にしちゃダメですよ!逃げる保険をかけるなんて!」

「バカを言うな、いちいちうるさい。お前に言われなくとも言うつもりだ。」

「本当ですか?」

「ああ…。」


濁せばいちいち突っ込まれる。面倒なやつだ、と思い黒城に目をやった時だった。



「それなら良かったです!きっと喜んでくれますよ!」ニコ




「…ッ、うるさいこっちを見るな。」フイッ

「ええ?」




甘露寺以外の女に心臓が跳ねたなど、頼むから気の所為であってほしい。
こいつの笑った顔に一瞬目を奪われ不覚にも…。俺は甘露寺を想っているのに…







「お前ら何してんだァ?」



まさか不死川までここに来るとは。今日は誤算が多過ぎる。


不死川は買い出しの手伝いをしてもらう為に、煉獄の所へ向かった黒城を探していたらしい。

まあ丁度いい所に来てくれた。
何もしてないからあらぬ疑いをかけるな、と念押しし黒城を回収してもらった。

不死川は適当に返事をし、黒城は俺に挨拶をして、二人並んで歩いていった。




楽しげな会話の声は段々遠のき、やがて消えた。


全く黒城め。
俺からしたら甘露寺より遥か下だが、
甘露寺の次に調子を狂わされる女だ…。

冨岡さんは祝われたい。(HBD番外編)→←4 伊黒さんといっしょ



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 風柱   
作品ジャンル:アニメ
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さらりとクマ(プロフ) - 真緒さん» 真緒様!!ありがとうございます!!!不死川さん好きになってくれてうれちい…!作者のことも?えへへ鼻血 なかなか作品出せてない状況ですが一応ゆっくり制作中です是非よろしくお願いします!! (2022年4月23日 10時) (レス) id: 8eff2d73b0 (このIDを非表示/違反報告)
真緒 - クマさん!大好きでーす!❤️ (2022年4月1日 13時) (レス) id: f3449b7706 (このIDを非表示/違反報告)
真緒 - こんなにいい作品を読ませていただいてありがとうございます!実を言うと私不死川担ではないのですが(むしろちょっと苦手だった)この作品を読んで好きになりました!これからもクマさんの作品読みにいきますのでコメント見てくださいね! (2022年4月1日 13時) (レス) @page42 id: f3449b7706 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - 風柱様むざんたおしたとはいえむりしないでくださいね (2021年11月10日 22時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - わたしいつもおもうときがあるですりあるでかぜがふくと風柱様の事/// (2021年11月10日 22時) (レス) @page39 id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さらりとクマ | 作成日時:2021年2月3日 0時

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