24 焦り ページ30
その後すぐ、お館様の元へ走った。
床に伏せてらっしゃるであろうお館様には大変恐れ多いけど、直接お会いして話をしたい。
総二郎を先に向かわせその旨を伝えさせた。
お屋敷に着き、ご息女お二人の後をついて行く。私が急いでいることをご存知なのか、足早に案内してくれた。
「黒城様。」
部屋に着くと、周様と、周様に支えられて床から起き上がるお館様がいらっしゃった。
「お館様…!」
お館様のお姿を見て、お目通り願いたいと無理を言ってしまった事をとても後悔した。
だけど、お会いして話さねばならない。
「総二郎から…粗方聞いたよ。A、…無惨に、会ったんだね。」
「左様でございます。事の仔細、手短にご説明致します。無惨は────」
私はお館様と周様へ、無惨が自分の警備担当地区に現れた事、対峙を試みたが無惨は戦闘意思はさほど無くすぐ姿を消した事、
そして、私たちを滅ぼす為に何かを目論んでいる事など全て話した。
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お館様とのお話を終え、すっきりしないまま自分の稽古場に向かった。
お館様の仰った事が、納得できなかった。
『無惨が現れた事は誰にも言わないでほしい』
そう遠くないうちに無惨が仕掛けてくる。
既に皆それに向けて日々力をつけており、柱も今まで以上に強靭だ。伝えなくとも皆、準備はできている。
無惨が準備が終わって再び現れるまで待つのがいい。
そう仰った。
でも、
「本当にすぐそこまで来てる。」
その日はもう近いんだ。
晩に無惨が現れたあそこは本部に近い。
無惨はお館様の居所を掴んだのかも。
こんなに焦っているのは私だけ?
他に策を立てなくていい?
隊士らも十分育ってる訳ではない。
隊士らに共有し士気を高めるべきでは?
無惨と少し闘っただけで刀を振り上げられなかった。十二鬼月とも比にならない。
もし、明日また現れ本格的に決戦となった場合…
じわっ
気づくと手汗で手が濡れていた。
そして、頬に伝った汗が無惨によって作られた傷に染みて痛い。
落ち着け。
お館様にも何かお考えがあるんだろう。
今は、稽古のことだけ考えよう。
お館様の所に行ってたから、隊士らには自主訓練をさせている。
もし怠けでもしたらただじゃおかない、と総二郎が伝えてるはずだから、ちゃんとやっているといいな。
漸く、稽古場に着くと、
「増えてる…?」
異様に隊士が多い。
昨日の倍以上はいる。
実弥さんからは伝達も無かった。
一体何事…?
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さらりとクマ(プロフ) - 真緒さん» 真緒様!!ありがとうございます!!!不死川さん好きになってくれてうれちい…!作者のことも?えへへ鼻血 なかなか作品出せてない状況ですが一応ゆっくり制作中です是非よろしくお願いします!! (2022年4月23日 10時) (レス) id: 8eff2d73b0 (このIDを非表示/違反報告)
真緒 - クマさん!大好きでーす!❤️ (2022年4月1日 13時) (レス) id: f3449b7706 (このIDを非表示/違反報告)
真緒 - こんなにいい作品を読ませていただいてありがとうございます!実を言うと私不死川担ではないのですが(むしろちょっと苦手だった)この作品を読んで好きになりました!これからもクマさんの作品読みにいきますのでコメント見てくださいね! (2022年4月1日 13時) (レス) @page42 id: f3449b7706 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - 風柱様むざんたおしたとはいえむりしないでくださいね (2021年11月10日 22時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - わたしいつもおもうときがあるですりあるでかぜがふくと風柱様の事/// (2021年11月10日 22時) (レス) @page39 id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さらりとクマ | 作成日時:2021年2月3日 0時