2 可愛い ページ3
やっと任務を終えた…。
6日間潜伏していてなかなか出てこなかったが、やっと見つけ出して思い切り斬り刻んでやった。
十二鬼月でもねぇのに厄介な血鬼術を使う鬼だった。
お前みたいな鬼のせいで6日もAに会えなかったんだ。苦しんで灰になってもらわねぇとなァ。
それから俺は近くの藤の花の家紋の家に行き、明日帰るとAに文を出してから休んだ。
今日は恋仲になってから初めてゆっくりAと過ごせる。
Aと逢い引きの約束を取り付けていた。
アイツにも寂しい思いをさせていたと思う。
思い切り楽しませてやらねぇとなァ。
俺は夜が明けてすぐ藤の花の家紋の家を出て、足早に自分の屋敷へ戻った。
普段ほとんど着たことの無い薄い緑色の着物と、その上から黒の羽織を身にまとった。
すると、
トントントン
「さ、実弥さーん？戻ってますかー？」
6日間ずっと聞きたかった愛しい声が聞こえた。
まだ名前呼ぶのに慣れねぇようだなァ。
俺は財布を巾着に入れて袖の中に忍ばせ、玄関の戸を開けた。
「よォ、久々だな… ？！」
「お久しぶりです！！どうされましたか？」
「お前、その格好…」
Aは、紫と白の縦縞模様の着物に、裾の広がった紺色の袴を履いていた。所々花があしらわれている。
長い黒髪と白い肌、藍色の目のこいつに良く似合っていた。
「あぁ、これ、私の故郷ではこういう格好が流行ってて、1番おしゃれかなと思ってこれを着たんですけど…変でした？」
いや、全然そんなことはねェ。
その姿はあまりにも
「可愛い。」
「え！」
「ッ･･･。」
つい言っちまった。
まあ本音だからいい。
そのおかげで
「何顔真っ赤にしてんだよォ？」
顔を赤らめたAも見れたからなァ。
「なっ！実弥さんだって少し頬が赤いです！」
「気のせいだろ。ほら、行くぞォ。」
「わわ…！」
誰のせいだと思ってる。
久々にお前に会えて嬉しいんだから仕方ねェだろ。
俺はそんな顔をあまり見られないように、無造作にAの手を取り町へ向った。
「あ、あのっ」
「なんだァ。」
「可愛いって言ってくれて嬉しかったです…ありがとうございます！」
「…あァ。」
そんな言葉、これから毎日沢山言う予定なんだから、いちいち礼なんて言ってたらキリねェぞ。
俺はニコニコ笑うAを横目で見ながら手を握りしめ、日差しで雪の解け歩きやすくなった道をゆっくりと歩いていった。
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さらりとクマ(プロフ) - snowさん» snow様！大変お待たせしておりました！続編出来次第お知らせしますね！立ち上げだけしてお話までは更新はできないかもですが…。ぜひ、今後も宜しくお願いします！！！！ (2020年11月15日 12時) (
レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
snow - 更新お疲れ様です！もう続編間近ですね！早い！!これからも応援しています！ (2020年11月15日 12時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - snowさん» snow様！いつも有難うございます！間が空いてしまって申し訳ないです…！楽しんで頂けるようなお話考えておくので、これからもどうぞ宜しくお願いします！！！！ (2020年11月11日 19時) (レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - ひまわりさん» コメント有難うございます！いつも読んで頂いて感謝しかないです…！落ち着きましたら、しっかり更新していく所存です！これからも宜しくお願いします！！！ (2020年11月11日 19時) (レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
snow - 更新お疲れ様です！クマ様のお話が1週間も読めないなんて…土曜日楽しみにしております！実習頑張ってください！ (2020年11月9日 19時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらりとクマ | 作成日時：2020年10月19日 1時
