風柱さんは闇柱に片思い中･･･？弐

ほらな ページ7

「よ、よもや…！」
「キャ〜〜ッ！！」
「ヒィ…に、任務でッ接吻のフリって！」

今、どんな状況が起きてるかってェ？
事の詳細を知った奴らは様々な反応をしている。

宇髄は腹を抱えてヒィヒィ言ってやがるし、
煉獄は表情こそ変わらないが顔を真っ赤にしてやがるし、
伊黒は何故か睨んでくるし、
甘露寺は床に倒れ込み顔を手で隠してるし、胡蝶は口元を手で覆って震えてる。
悲鳴嶼さんは涙を流して手を合わせてるし冨岡と時透はボーッとしてる。
黒城は終始顔を赤くし下を向いている。


俺からベラベラ喋れるわけねェから、他の奴らの質問に「あァ」とか「違ェ」とか反応して答える形で全てを理解させた。

初っ端宇髄が「寝たのか？！(別の意味で)」と聞くもんだから殴りかかろうとしたら、宇髄は顔色変えて「すまねェ黒城。」と黒いモヤっとしたものを漂わせた黒城を見てすぐさま謝ったので俺は拳をしまった。
起こると怖ぇなコイツは。

睨んでくる隣の伊黒が俺に耳打ちしてきた。

「お前、今回黒城だったら良かったが、もしお前と甘露寺だった場合、どう責任を取るつもりだったんだ。俺の恋情を知りながら、同じことをしていたのか、どうなんだ。」

いつにも増してしつこく聞いてくる。
さっきから睨んでたのはそういうことかよ。
うるせェと適当にあしらっていると、
やっと笑いが収まってきたのか、宇髄が喋り出す。

「ｸｸｸｯ、さぞかし刺激的な任務になったなあ2人とも。
その作戦を提案した黒城もなかなかだなぁ？いくらフリでもコイツとは嫌じゃなかったかぁ？もし俺とだったら…おっと」

宇髄の言葉の続きを言わせまいとガンを飛ばした。

すると、ずっと黙っていた黒城が口を開いた。

「私は、不死川さんとだったからこの作戦ができたんです！嫌じゃありませんでした！」


…ちょっと待てェ。
何故さっきまで恥ずかしそうにしてたのにそういうことは恥ずかしげもなく喋っちまうんだよォ。
柱全員驚いて黒城を見てるぞ。多分誤解されてる。

「黒城、それ、つまり、不死川のことが好きになったってことかぁ？」

と少し真剣な顔で宇髄が黒城に聞く。

ほらな、誤解されてやがる。
黒城は咄嗟に答えた。

「そうではありません。ただ、先輩として敬愛しています。」

…ほらな、こいつは俺を好きになったわけじゃねぇんだ。
周りは少し残念がる。
まぁ、俺も少しというか結構。

宇髄は珍しく顔色変えず、「あっそォー」とだけ返し、話題を変え皆で話をし始めた。

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