風柱さんは闇柱に片思い中･･･？弐

ダメかも ページ28

ザンッ

「ギャアア！」

怒りと悲しみに任せて鬼を斬っていく。

ザシュッ

もちろん、悟られないように感情の起伏を隠し殺意も消す。且つ残酷に。

「ぐうううう！」


目を背けて刀の血を払い、また走る。
血は長く見たくない。


何で不死川さんはあんな酷いことを言ったんだろう。

前みたいに、嫌なことがあったとか、きっかけがあるからああいう風に言ったのかな。
嘘だと信じたい。


でも…


柱も落ちぶれたもんだな。

癸相手に体力づくりだァ？

下弦の鬼を余裕でぶっ倒してたのは嘘だったのかィ



一つ一つの言葉が心に刺さった。

多分、もしかしたら、不死川さんは本心でああ言ったのかもしれない。
柱に見合わないんだ私は。


「不甲斐ない…」

ザァンッ

「ガアアアアア」

事前の情報で言われてた鬼は全部斬った。

刀に着いた血をまた目を背けながら払い、刀を鞘に収める。

帰ろう。



帰る時も、蝶屋敷でのことで頭がいっぱいだった。

不死川さんはもう前みたいに話をしに来てくれたり、美味しいおはぎを一緒に食べようと誘ったりしなくなった。

私、嫌われてしまったのかな。

柱として私はダメな人間なのかな。

だからもう会いにこなくなったのかもしれない。
だからあんなことを言ったのかもしれない。



「私は不死川さんのこと、好きなんだけどな…」


心臓が握り潰されたように、ギュッと苦しくなる。



宇髄さん、蜜璃さん、しのぶちゃん。

私の次の恋はダメみたいです。

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