伝える ページ21
俺が苛立って胸糞悪い気分でいたのは、
昨日の会議のことと、弟が鬼殺隊入ったことだけじゃねェ。
お前が、最近俺が暗いからどうかしたのかと聞いてきたんだから、話してやろうじゃねェか。
「最近、俺が甘味処に連れて行ったり、屋敷に行って話をしたり手合わせしたりしてやろうとしても、あまり喋らねェし、ずっと下向いてやがるし、俺といるの嫌だったかァ。」
そんなことありません!と黒城は言うが、明らかに様子がおかしいんだよォ。
お前ともっと一緒にいることで、俺の気持ちに気づいて欲しいと思ってたし、お前に俺のこと少しでも好きになってもらいてェと思ってたのによォ。
喋らねェ。目も合わせねェ。
本当は俺の事、避けたいんだろォ。
「先輩だからって無理して言うこと聞いて誘いに付き合うんだったら、もう誘うのはやめる。迷惑かけたくねぇしよォ。」
所詮、お前にとって俺は先輩なんだもんなァ。
すると、ずっと黙っていた黒城が話し始めた。少し涙ぐんでいる。
「私は不死川さんのこと嫌な訳では無いです…
むしろ、一緒にいたいと思う気持ちが強いんです!」
声が少し震えている。
そういう風に言うと勘違いすんだろォ。
俺の気も知らないで。
先輩だからダメと言えないだけなんだろォ。
決めた。
先輩として俺を見ている黒城に、俺の気持ちを伝える。
それでたいして俺と親しくする気がねェなら、ちゃんと避けてもらう方が俺はいい。
いつか気持ちだけでも伝えたいとは思っていた。
もともと叶わない恋だったんだ。終わってもいい。
「黒城、そういう風に言われると俺は勘違いしてもっとお前に迷惑をかけてしまう。
なぜなら俺はお「不死川!!邪魔するぞ!!」
…あ??」
あのバカでかい声が聞こえたのは気のせいか?
「不死川!共に手合わせをしようと思ってここに来た!」
気のせいではなかった。
「テメェ!煉獄!勝手に人の屋敷に上がんじゃねェ!」
「…む?よもや!黒城少女もいるじゃないか!では3人でやろう!!」
「え…?は、はい…!」
…とんでもねェタイミングできやがったな。
話が通じねェし。
こうして、俺は自分の気持ちを伝えようと決心したものの、突然の訪問者によってそれが叶わなかった。
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ゆみ - わたしもさねみさんもくまさんも凪子さんのこと見守てるから (2022年4月25日 23時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - 泣いてくれてありがとう凪子さんわたしもだいすきなさねみさんとここで恋仲になれてうれしいもん (2022年4月25日 23時) (レス) @page47 id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - 凪子さん» え?!あ?!泣かれましたか?!お目目腫れてませんか!?ちなみに作者は見聞録の弐を読んで泣いてしまいました同じですね!(?)明日会う人に心配にされないようしっかり目元のケアをなさって下さい!!!お読み頂きありがとうございます! (2021年2月4日 23時) (レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - 泣いてしまった!!実弥さんの愛の深さがたまりません! (2021年2月4日 20時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - tauorgemさん» コメントありが…えええ?!お泣きになられた?!確かに、思いのすれ違いについては頑張って書いた記憶があり、それで心を揺らして頂いたなんてとても嬉し…いや!目を腫れさせてしまってはだめですね?!どうかおめめをしっかり冷して下さいませ!! (2021年1月18日 23時) (レス) id: 2dfbebf58e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さらりとクマ | 作成日時:2020年10月3日 8時