決めた ページ28
一晩、懐かしく美味しいご飯を食べ、たくさん話してたくさん笑って、
不死川さんのどこか重みのある言葉を思い出しながら、しっかり家族の時間を過ごした。
寝る前、フッと裕のことを思い出す。
裕も夢が叶わなくなった心の傷が癒えてないかもしれないのに、更に傷を深くするようなことをしたかもしれないけど。
とにかく悲しかった。
今までもそういうところはあったけど、ここまで恋人として見られていないお飾りのような存在だったのか。
ここまでくると、さすがに許せないかも。
「一旦寝て、落ち着こう。」
裕も、 裕なりに考えているのだろう。
でも、これはあんまりだよ。
早朝。窓から差し込む朝日で目を覚ます。
もうお母さんは朝ご飯の準備をしている。
「おはよう、A。早いわね。」
「おはよう。目、覚めちゃった。」
身だしなみを整えて戻る準備しないと。
居間にいると、しばらくしてお父さんも起きてきた。
「A、おはよう」
「おはよう。」
挨拶するとお父さんはいつも通り椅子に腰かけ新聞を読む。
あぁ。
今まで広い屋敷に一人でいたから忘れていたなあ、この温かさ。
どうして忘れてしまってたんだろう。
いつも通りの朝が来ること、この温かさを奪う奴は本当に許されない。
他の鬼殺隊員は、日常を奪われてもう二度と手に取ることが出来ないのだ。
不死川さんの言う通り、私はもっと大事にしていかないと。
そして、
「守らないと」
「A?何か言ったかい?」
お父さんが不思議そうに私を見る。
思わず口に出してしまった。
「うううん、何でもない」
「そうか」
とお父さんはまた新聞に視線を戻す。
「できたわよ」
食卓に朝ごはんが並ぶ。家族3人で食べる。
この当たり前、守らないと。
改めて、鬼を斬り、家族、人々を守ることへ強い決心をした。
そして、私はもうひとつ決めた。
裕と別れよう。
もうこの関係はうんざりだ。
4年間ずっと苦しんできた。
これから続けても苦しむだけ。
守るための鬼殺に影響が出たら大変だ。
こんなことで悩んでられない。
私は朝ご飯を済ませ、裕の所へ行く準備をした。
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作者から少し
ユーザーランキングにもランクインし、お気に入り登録者数も100人に…
皆様本当に有難うございます。
これ以上色んな数字が伸びるのは怖いですが、ちゃんと頑張ります。
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さらりとクマ(プロフ) - snowさん» 質問ありがとうございます!読み方は「やみりゅう」です!なんか厨二病っぽくて書いてて恥ずかしいので技とかはさらっと流していただいていいですよ!!!! (2020年10月22日 20時) (レス) id: 80a6dd6298 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 質問です!この作品でちょくちょく出てくる闇の呼吸ですが、「闇竜」の読み方教えてください!(クマ様の闇の呼吸結構好きです!) (2020年10月22日 19時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - いぐろさん» 何回も読まれるのはちょっと恥ずかしいですね!でも読んで頂き有難うございます! (2020年10月4日 12時) (レス) id: 80a6dd6298 (このIDを非表示/違反報告)
いぐろ - 何回でもよみたくなる!!!!!! (2020年10月4日 11時) (レス) id: abcdb48192 (このIDを非表示/違反報告)
さらりとクマ(プロフ) - いぐろさん» (い、伊黒さん…?!)有難うございます!嬉しいです^^*続編の方も頑張ります! (2020年10月4日 11時) (レス) id: 80a6dd6298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さらりとクマ | 作成日時:2020年9月27日 2時