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俺は知念に殴りかかった。





覚醒していないのに、殺意が抑えられない。




俺の拳が知念の頬に直撃して、知念が吹っ飛ぶ。






賑やかに体育館から出ようとしていたみんなが一斉に振り返った。







『おい何してんだ!』




薮が駆け寄ってきて俺をおさえつける。






「なんで!なんで知念なんだよ!俺がどれだけ苦労して...!どれだけの覚悟で"JUMP"に入ったか!!山田に認められるまでにどれだけ血反吐吐いたか!!!」




『伊野尾!!!』






叫んだのは、山田だった。



恐る恐る振り向くと、物凄い形相で俺を睨んでいて。





『伊野尾てめえこっちこい』








悔しい。なんで俺がこんな思いしなきゃなんねえんだよ。




下唇を噛んで、山田に近寄る。








「ごふ...っ!」







お腹に激痛が走る。




気づくと、俺は床に倒れていた。





山田が車椅子に座ったまま俺のお腹を蹴ったのだ。







『大事なのは喧嘩の強さだけじゃねえ...』




俺を嘲笑うように見下ろして言う。


「他に何があんだよ...っ」



『そんなの自分で考えろ...とにかく、俺の言うことは絶対だ...』






「そんなの...っ!」






俺は今までにないくらい山田を睨みながら立ち上がった。

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作者名:志乃 x他1人 | 作成日時:2019年7月1日 11時

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