JUMPな不良達5 (ページ22)

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『この時、伊野ちゃんの覚醒の恐ろしさを見てた俺たちは、伊野ちゃんが覚醒することは本人には言わないって決めた。

で、2人で伊野ちゃんを守るって、決めたんだ』

有岡くんが言った。

その途端俺の中で今まで感じていた違和感がなくなった。

なんで有岡くんはそんなに伊野尾くんに固執するのか。

そういう理由があったんだ。

『結局覚醒のことバレたし、伊野ちゃんは自分で自分刺すし、全然守りきれてないけどさ』

「そんなことないよ。今伊野尾くんが"JUMP"にいるのは有岡くんと山田のおかげだろ？」

『まあ...うん。伊野ちゃんが強いのもあるけど』

確かに伊野尾くんは別格だ。

総長にパシリにされていたなんて、今では考えられない。

「色々教えてくれてありがとう」

俺が言うと、有岡くんは笑顔で頷いた。

バン！！

そこに大きな音が鳴り響いて。

"JUMP"の部屋のドアが蹴破られた音だった。

振り向くと、男3人が何かを引きずって入ってきた。

3人とも七高の制服を着ている。

引きずっているその何かは、

『大ちゃんせんぱ...髙木せんぱ...っごめんなさ...っ』

裕翔だった。