本気.29［マギ］ (ページ5)

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「それを聞けば、煌帝国のためにも紅炎と今すぐ戦争なんてまねは思いとどまってくれるはずだ！そして、これを今伝えに行けるのは、俺たち第三者しかいねぇ。煌帝国の皇帝争いに全然関係ねーからな。」

「……そうだね！」

「考え方が違っちまっても…確かに昔は一緒に戦った仲間だったんだ。そういう相手と面を付き合わせて話をするのは、キツいことかもしれねぇ。

でも、やらなきゃ!!」

アリババは色んなことを見て、知った。
アルマトランの悲劇も、元は全員で手を取り合い同じ未来を目指した仲間の内乱から始まったものだった。
カシムとアリババも、元はかけがえのない親友であった。
彼だからこそ、そう強く言い切ることができるのだ。

「後悔するってわかってるのに、あきらめちゃだめだ。絶対、無駄じゃないはずだ！

「アルマトラン」を見て、俺はそう思ったんだ！」

(アリババくん…………

僕とおねいさんが君を見つけたのは、やっぱりきっと間違いじゃなかった。)

(アリババ、私やっぱり、あなたのそういうとこが、だーいすき！)

「えっ、なんだ？」

「「ううん、なんでもない！/さ！」」

「アリババ、「アルマトラン」のことを考えてくれて、ありがとう。」

Aはつい口元が緩んだ。

「でも、今頃紅炎おじさん怒ってるだろうな〜〜、Aおねいさん、おじさんどうだった？」

「あはは、怒られる前に逃げてきたわ。そういえば。」

「な〜に、大丈夫だよ。煌帝国は今、一瞬だけ王が消えて混乱してる状態なんだ。紅炎がバルバッドの総督かどうかもあやふやだから、俺に命令もできねー。自由に動くならこのスキっきゃねぇっ！」

ぐっと拳を握りしめ言うアリババに、Aは苦笑した。

「なるほど……！アリババくんってさ…ほんとうにへりくつがうまいね！」

「バカにしてんのか？！」

「あ、ホラ着いたわよ！」

「『洛昌』だ！」

ゴォオ

「うひゃあ！さすがに立派な街だな！バルバッドの何倍あるんだ？」

「久しぶりに見たかも。相変わらず…………じゃない!!」

「この街…おかしい……？」

アラジンとAは目を凝らした。

「…結界が張ってある…!!」

「ちっ、バレたか。勘がいいな、シュバリエサンよぉ。」

Aが気づいた時、声が聞こえ、3人はバッと一斉にそちらを振り返った。

「ジュダルくん!!」「ジュダル！」

アラジンとAの声が重なる。そこに居たのは薄い笑みを浮かべるジュダルだった。