本気.29［マギ］ (ページ32)

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「私の力が嘘をつくことはないって…そんなこと知ってたけど、「アルマトラン」の記憶が突然見えた。
「アルマトラン」の記憶は、私のルフではなく私の母のルフが見せるものだから、「嘘」をつかれることも、書き換えられることも不可能…

そして、思い出した。貴方はソロモン王の息子であり、同じ立場だったってこと。

でも私をあなたは嫌っていた。それでも、共にいるようにとグロリアは望んでいた…！

私だってあんたなんかと一緒に居たくないけど、それでも、「使命」を共に受け取った1人だって思い出した…

それに、あんたがこの世界を愛してたってのを聞いて……

私を愛してないとしても、私も世界が好きだから…今だけは、あんたを信じようと思った。」

全員が自分を指さし嫌うこんな世界でも、

それでも愛していたのは忘れないから。

「なにがあってるのか、何が間違いなのか、私はどうするのが正しいのかなんて、わからない！けど、けどアラジンが死ぬのは、絶対に違うと思った!!

くそみたいな世界でも、愛してしまったんだもの！

世界を守るのがアラジンだけで十分なら、私は大人しく死ぬさ!!!

最後に彼に託してね！」

こんな私なんかよりも、ずっと世界に愛されているんだから。

＿彼女は記憶が混濁状態のまま、世界の危機を感じ取り、救うことを誓った。

「!?Aおねいさん!!」

彼女はナイフを取り出し掲げると、叫んだ。

「我が身に宿れ、「グリーム」!!!」

ピカァ

ナイフの八芒星が強く光を発し、彼女を包むと、地面を強く蹴り光から飛び出た彼女は氷の鎧に体を包んでいた。

氷の騎士は、そのままジュダルに急接近すると剣を振り下ろした。

バチバチィ！

「おい、自分のしてることがわかってんのか？」

「それはこっちのセリフよ!!!私はあなたが好きだけど、こんなことは、やっぱり…っ許せない！許しちゃいけないんだあああ！」

ジュダルは剣を両手で握り振り上げる彼女の目に涙が浮かんでいるのを見て、目を見開いた。

まだ洗脳はとかれていないのに、それでも彼女は、世界を救う為ならば戸惑うことなく直ぐに選択肢を選ぶことが出来るのだ。

それからAとジュダルとアラジンは戦った。Aは確実にジュダルに通用する実力と魔力を持っていたが、ボロボロのアラジンばかりを集中攻撃するジュダルを追いかけ止めることで精一杯だった。