本気.29［マギ］ (ページ4)

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「もしかして…おねいさん、使えるようになったのかい!?
「転送魔法」を……！」

驚いたようにこちらを見るアラジンに、Aはニッと笑い頷いた。

「うん！練習の成果ってヤツだね！」

「え、確か…Aのお母さんが使ってた……？」

「そうだよ。「アルマトラン」の過去を視たときから、使いたくて仕方なくってね！

そうだ、遅れてごめん。話は終わったよ！」

「ああ！そのことは全然平気だぜ！それよりおまえも、「魔装」したほうがいいんじゃねえの？」

「うーん、でも、「魔装」の方が魔力を使うんじゃないかな？僕は「金属器」を持っていないから、なんとも言えないけど。」

「なら、このまま向かうよ！「転送魔法」は、大分疲れるから…」

そう言いながらエヘヘと頭をかき笑う彼女は、疲れているようには到底見えなかった。

そしてAは、先程の話し合いの内容を思い出す。
会ってどうなるかはわからない。アリババは戻すだとか気を入れているが、Aはそれは不可能のように思えた。

(とにかく…私に出来ることは、彼の心の闇を少しでも取り除くこと…！)

正直、自分なんかよりもアリババのような人の方が、人を救えるのではないかと思っていた。
だが自分はそれでも構わない。たくさんの人が救えるのならそれが本望。

「じゃあ、Aも合流したことだし、行くか！」

「うん。煌帝国首都「洛昌」へ向かう。白龍に、会おう！」

3人は雲が反射するほど透き通った綺麗な海の上を進んだ。

『この世界が、バルバッドが、Aたちの見せてくれたとおりになっちまうなら…俺は兄弟の仇とでも組んで戦うぞ!!』

「アラジン、A、俺は…バルバッドが戦争に巻き込まれるなら、もう遠くから眺めてるだけなんてできない。バルバッドに攻めてくるやつらと戦おうと思ってた。…それが白龍でも…」

「……うん。」

アラジンがAの代わりのように間を開けて返事をした。

「でも、白龍がそこまでするつもりなのかまだわからねぇ！あいつは、仇討ちを果たしただけで、まど首都に留まったままだっていうじゃねーか！できることがあるはずだ。」

「煌帝国が本当に内戦になってしまう前に、僕たちにできること？」

「そうだ。「アルマトラン」の話だ！」

「！」

「「金属器使い」は、仲間割れしてる場合じゃねーんだろ？白龍の敵は俺たち全員の共通の敵で、倒さねーと世界中のみんなが殺されちまうんだってことを…白龍は、まだ知らないだけかもしらねーじゃねーか！」