本気.29［マギ］ (ページ3)

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「わかりました。勝手にやらせていただきますね。」

Aはニッコリと笑い垂れた髪を救って後ろに戻すと、部屋の扉へ歩いて行った。

「じゃあ私用事あるんで失礼しまーす。」

パタン、とゆっくり扉を閉めると、そのまま目を瞑った。

「天眼」：過去、現在、未来、東西南北すべてを見通すことができる。

(アリババ、アリババ、アリババ……アラジンとアリババが、今どこにいるのか……)

ぐぐぐと強く目を瞑る。

ぐわんぐわんぐわんぐわん……

「＿＿＿、！」

「＿？」

「視えたッ！」

瞼の裏にアリババとアラジンが映った瞬間、Aは懐から取り出したマグノシュタットで使っていた金色の杖を両手で握った。

シュンッッ

＿＿

「……アリババは？」

「は？」

「ア、アリババ？」

「白瑛と紅玉がバルバッドへ到着したのは知っている。だが、アリババだけがまだ俺の元へ来ない。」

「そういえば、Aもアリババの名は一言も出さなかったけど…」

「そっ、それがですねぇ…アリババとアラジン両名のみ、まだバルバッドへ来ていません。遅れてくるはずのアリババの「眷族」どもがもう着いているのにです。」

「………………」
「おやおや。」
「あいつマジ神経太いな！」
「な、な、なんなの！？」

「あの二人はどこへ行ったっ!?」

紅炎がバッと扉の方を振り返る。

「あっ、A！あいつならまだここに……」

紅覇が慌てて扉を開けて、ながーい廊下を左右見渡すも……

「あー、いない、ね。」

「…いや、でも……

足音、しませんでしたよね？」

「「……え？」」

＿

「…アリババさんとアラジンさんは、そろそろ”あっち”へ着く頃かなぁ？」

「……成功するといいな。」

「はい。あの二人なら、きっとやり遂げます。」

オルバとトトとモルジアナは、彼らを信じた。

＿ゴオオ

海の上を飛ぶのはアラジンと魔装したアリババ。

そして突然目の前に淡い光が洗われ、2人が目を細めると、そこからよく知る少女が現れた。
だが……

「あ、アリババ居た！！……う、うわあああ！」

そのまま真っ逆さまに落ちていきそうになり、水面に触れる瞬間に浮遊魔法で飛んだ。

「わ、わ、びっくりした。転送魔法だけに、集中しすぎて…2人が海の上なの、忘れてた……」

「(名)、(名)、A！？」

「Aおねいさん！？」

2人は驚いたように彼女を見た。

彼女はニンマリと笑って見せた。