第133夜 優しい人 ページ5
白龍が背を向けたまま放った言葉に、Aは伸ばしかけていた手を止めて、ゆっくりと下ろした。
「は？」を全面的に出した表情で。
「…………えっ？」
「俺は…………」
白龍は振り返り、口角をむりやり上げて笑った。
「あなたのことが好きなんですよ。A殿。」
「…………！？？」
困惑するAに白龍は1歩近づいて笑みなど忘れ必死に伝えた。
「あなたは本当に素晴らしい女性だ！
強く、
優しく、
それでいてユーモアがあって、
元気で、
可愛らしくて、
美しい……
コロコロ変わる表情も、
困っている人を見捨てられないところも、
全部…………
だから俺は！」
「！！」
ガシッ、と跪く白龍に手首を掴まれる。
「あなたを、妻に迎えたい！！」
自分を見つめあげて捕えないその真っ直ぐな瞳に、Aはただただ頭が真っ白になった。
え？え？
ま、まって
ど、どどどど
どういうこと？
「……？？ど、どどどうしたの白龍……お、おおかしいよ……」
困惑と動揺が襲いかかってきて照れる暇もない。
Aは得意な無理やり笑うことも出来ず、ただただ困ったような困惑したような表情で白龍を見つめ返した。
「俺は本気ですよ……！？初めから不思議と惹かれてはいましたが、あの時から…………」
あの時、夕日に照らされた彼女の笑顔を見たその一瞬で、
俺は自分の抱いていたこの感情に名前があることを知った。
「あなたは……これから俺が作る大帝国の妃になるんだ……！」
ググググ……
手首を掴む力は強く、Aはやっと感情が追いついてきたのか顔をリンゴのように真っ赤にしながらフルフルと首を振って否定した。
「ち、ちちちがうでしょ、それは、わた、わたしが「シュバリエ」だから……
と、とくべつな存在だから……！！」
白龍は彼女の目が潤んでいるのに気がつくと、キッと睨みあげた。
Aは告白されるのが初めてだった。
好きだと、言われるのが、初めてだった。
恋心、そんなもの、知らないわけが無い。
とても素敵で、淡くて、儚い、夢のようなもの。
それを、白龍にされたのが信じられなくて、
けど、そんな素敵な「好き」も、
プロポーズも、
真剣に考える必要などないことを知っていた。
なぜならそれは、
全て、
自分を利用しようという算段だということを……
彼女は察したから……。
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氷空音(プロフ) - ナギさん» 読み進めていただけたら分かりますがヤンデレは治ります！あと、第139夜はこの作品では飛ばしているのですが、呼び方を間違えてしまったところはどこだったでしょうか？すみません！見つけるのが下手で…見つけ次第直させて頂きたいのですが💦 (2022年10月26日 15時) (
レス) id: a1f76e7cbb (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 第139夜ですが、紅玉は紅覇の義姉ではなく、歳が同じ義妹で紅玉と呼んでいますよ！ (2022年10月26日 7時) (レス) @page23 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 白龍くんのヤンデレは治りますか？まだアニメで放送されていないシンドバッドを倒すところではアラジン達と共に戦っているので治る気がします。 (2022年10月26日 7時) (レス) @page12 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
氷空音(プロフ) - サラさん» わーい！！！！！！とっても嬉しいですありがとうございます頑張ります😭😭❣️ (2022年3月27日 18時) (レス) id: 5e2c75e263 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 把握しました！私この小説ほんと見ててなんか微笑ましくなってめっちゃ好きなので、今回頑張って絵描かせていただきます！これからも頑張ってください！応援してます！ (2022年3月27日 18時) (レス) id: 98face5f6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年3月25日 16時
