第130夜 闇の記憶 ページ43
ゴゴオオオ……
燃え盛る城の中。
ザク
ある男を真っ二つに切れば、それはキャハハハと不気味な笑い声をだしながら小さなマトリョーシカのような見た目の人形になり、カコン、カラララ……と転がっていった。
ハァ…ハァ……
そこに居るのは、2人の青年と、幼い白龍。
「まだ死ぬ訳にはいかん…”奴ら”の思いどおりにはさせられん……」
「……!?
兄上……姉上は……母上は無事でしょうか…!?まさか今頃2人も…早く助けに行って差し上げねば……!?」
”兄”の服をつかみながらそう言う白龍を、2人の兄はつらそうに見つめると
「……急ごう。」
「はい!」
白龍の言葉を聞いた上でか、知らないフリをしてなのか。
「……!?」
白龍はただ兄を見上げた。
ゴォオオオオオオ
その、炎の中で……
ドクン
ドクン
ドクン
ビキビキ
姿を変えた白龍……
それは正しく…
「ま……「魔装」…!?」
ドオオオオオオオン
その瞬間白龍はアリババたちの方に槍を振り下ろして、地面に穴を開けた。
「なっ!!?」
間一髪で避けたアリババ。
「白龍、何すんだよ!?どうしたんだよ!?オイ!!」
「Aさん!!!!!」
モルジアナは珍しく声を荒らげた。それは悲鳴に近いものだった。
むやみに動くことが出来ないのが悔しい。
Aはまだ意識はあるものの、地面に肘を着いてプルプルと震えている。
その腕からも、足からも血が出ていると言うのに、背中と頭も負傷するなんて。
まるで、全部の災難が、不幸が、彼女だけに降り注いでいるように。
「ウフフッ、どうやらこの子だけはまだ坊やだったようねぇ。「後光扇」で夢の中よ。さあ、「
グアッッ
ブォンブォン
白龍の横振りの槍をアリババは飛んでよけると、次白龍は槍を光らせ、底から不気味な何かを出現させた。
「何!?」
ゾァッッ!!
ズシャッ!
「「!!?」」
それは不気味な見たこともないような生物で、アリババ立ちに向かって伸びてきてすぐ近くの地面をえぐる。
(何だこの化け物は!?どっから出てきたんだ!?ザガンの能力?いや、でもこの部屋には「植物」なんてないのに……?)
「ザガン」の金属器の力は、主に金属器を植物に触れさせ魔力を送り込むことで、その植物を支配することである。
白龍が木製の義手を爆発的に成長させ、操っていたのもこれにあたる。
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氷空音(プロフ) - ももさん» わー!ありがとうございます✨頑張りますー🔥🔥 (2022年3月20日 18時) (レス) id: 5e2c75e263 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 続編おめでとうございます🎉夢主ちゃんの愛され具合がとても好きです💓無理せず頑張ってください!応援してます!! (2022年3月20日 17時) (レス) id: 540177c56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷空音 | 作成日時:2022年3月20日 15時