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「おもしろいことをしているな、」
「「!?」」
声のした方を振り向くと、そこにはダビデがいた。
Aには姿が見えないが、声からして察せられる。
「そうか。おまえはもう、運命は見えないのか？」
「…元から私は、運命じゃ…」
「そうか！そうか、ハハハ、やはり仏なんぞ恐れるべきではない。 」
「………お前、何をしに来た」
「Aがもう死ぬのなら、最後に伝えておこうと思ったんだ。
おまえは、実に興味深い存在だった。
似たような存在のはずなのに、私と見ている未来が違うようだったからな。
私の運命にお前が成した影響は何一つない。運命はそのままに続いているのだ。
でも……もし、おまえが本当にこの世界以外の世界からこちらを見下ろしているような上級の存在であったら？
認めたくないが、"私が見ている運命よりもっと広い運命"を見下ろしていることになる。
この世界で私が神だろうと、おまえに勝つ手はないというわけだ。」
「……？」
(おかしい。なぜこの男がこうも、、自分を下に話すんだ？プライドの塊みたいな男だろ？)
「だから私は、"念の為"、当初の計画を少しばかり変えたのだ。」
「……!?」
彼女は仏であった。
神と並ぶ崇高な存在であった。
過去、現在、未来を見渡すことが出来た。
それは、ダビデと同レベル、
またはそれ以上の存在だった。
自分を信じてやまぬあのダビデに、
"万一の注意"をさせるくらいには。
「どうやら、おまえはそれに気づきはしなかったようだが…ふむ、変えようと決めたのはついさっきのことだからな！仕方がない。
それも、今お前はもう確認することが出来ないんだろう？その目がないから。」
「………
変えた？計画を？」
冷や汗が背中を伝った。
待って。それって、私の知っている「原作」の範囲で、だよね？
でも、「原作」にそんな、計画の変更なんてあった、、っけ。
「なあに。そう大きくは変えないさ。
世界をルフに還す魔法の強度を、あげたまでだ。」
「……どれくらい？」
「どれくらいだろうな。でも、面白いことを考えた。おまえの知っている別の世界の執行人を増やしたのだ！」
「……は？」
何を言っているんだろう？この男は。
「……仏よ。おまえの言う「別世界」は、本当におまえだけを繋ぎ目にしていると思っていたか？」
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作者名：氷空音 | 作成日時：2023年4月22日 15時
