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あのね。




あのね、アラジン。




本当はわたし、あっちの世界への憧れなんてとっくにどうでもいいんだよ。



だって、こっちの世界だって眷属器や金属器が消えるんだもの。


魔法は使えるけど……マギシステムも消失する。


私知ってるもの。みんなは、この世界で寄り添いあって平和に生きていくことを。




でも、私は死ななくちゃいけない。






記憶が無いなんて、耐えられないから。




こんなとこしなきゃ良かったって思うよ。



でも、馬鹿な私にはそれが精一杯の判断だったの。




ごめんねあらじん。



あのね、アラジン。



私も、記憶を、あなたとの思い出を遡って、思うよ。





あなたのこと、好きだったなって。






恋は知らないけど、よくわかんないけど、


でももう、それも関係ないよね。










あなたはもう何も、覚えてないんだから。








『俺たち、友達だぜ!』

『勿論!』

『これからも、ずっとよ!』

『『おおーっ!』』







何も、覚えてないんだから。

第347夜 虚無感→←1



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作者名:氷空音 | 作成日時:2023年2月8日 18時

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