20話 ページ20
次の日。
その日は時間が流れるのが早く、気づけばもう昼だった。
まだ少し痛む手首と背中に気を使いながら、流星の元へ。
「流星!昼飯食いに行こうぜ」
朝は俺が遅刻ギリギリで今日話すのはこれが初めて。
流星は抜の悪そうな顔で俺を見た。
「昨日は…悪ぃ」
ワックスで固めた頭をかきながら、目を少しそらして言った流星。
俺はそれに、一瞬だけ頭に
「いいよ、暑かったから湿布の冷たさが丁度良いしね。逆に感謝ちゃうくらい。ほら、食べに行こうよ。お腹空いた」
流星は「そうか…?」と言ってからいつもの雰囲気に戻った。
しおらしい流星なんて流星じゃないしね。
図々しい位が丁度良い。
「…森永待たせてるんだっけ?」
俺は食堂に向かう途中、流星に聞いた。
森永と飯を食う事はよくあったけど、昨日のアレがあって少し気まずい。
「あぁ…飯の準備させてるからな」
ポケットに手を突っ込んで歩く流星はサマになっているが、転んだら手が出ずに格好悪そう…と場違いなことを考えながら溜息を吐いた。
廊下も延々と続く訳じゃなく、もう食堂は目の前だった。
森長が逃げたしてくれていると期待して、食堂に足を踏み入れた。
森永は…と目で探すと逃げたしてはいなかったものの、幸い、転校生と香川と森永という見慣れないグループで居た。
どういう事だろうと、耳をすませば。
「気にかけてあげてるんだ」
「めっちゃ優しくない?」
女子の声が耳に届いた。
なるほど、1人で4人分の昼飯を用意している森永に気を使って一緒に食べてるんだ、転校生は優しいんだな…
その女子の声の次に流星をイラつかせる言葉が耳に届いた。
「へえ…あいつか!!
北原流星を一発KOにしたってのは」
それに反応した流星は声の方、後ろを向いた。
俺も後ろを見る。
「確かに綺麗な顔してやがる」
真っ先に目に入るサングラス。
「でもルックスは俺の方が上だろ?」
「うおー、マジでイケメンだ」
リーダー格のサングラス野郎は…確か、埼玉貴仁。
埼玉の周りに居る奴らは…知らない顔だな。
まぁ、アイツの"手下"か"友達"だろうな。
俺は前者だと思うけど。
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葵(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 日本語に翻訳されてます!読んで頂き、ありがとうございます! (2017年4月23日 23時) (レス) id: 9bba651314 (このIDを非表示/違反報告)
無名の中二病患者(プロフ) - 葵さん» 韓国漫画か...ハングルで無ければ読めるかも、いや、ハングルでも読む!ありがとうございます、読んでみますね! (2017年4月23日 23時) (レス) id: ca1a42ce17 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 二次創作で、外見至上主義という韓国漫画のお話です。xoyという漫画アプリで読めます(^^) (2017年4月23日 22時) (レス) id: 9bba651314 (このIDを非表示/違反報告)
無名の中二病患者(プロフ) - 久し振りに集中して読めました。世界観がリアルで、同時に若々しさのある感じが好きです!ところで、この作品ってオリジナルですか、それとも二次創作ですか? (2017年4月23日 22時) (レス) id: ca1a42ce17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月希 | 作成日時:2017年4月20日 0時