検索窓
今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:27,700 hit

20話 ページ20

次の日。
その日は時間が流れるのが早く、気づけばもう昼だった。

まだ少し痛む手首と背中に気を使いながら、流星の元へ。


「流星!昼飯食いに行こうぜ」


朝は俺が遅刻ギリギリで今日話すのはこれが初めて。

流星は抜の悪そうな顔で俺を見た。


「昨日は…悪ぃ」


ワックスで固めた頭をかきながら、目を少しそらして言った流星。
俺はそれに、一瞬だけ頭に?(はてな)を浮かべて、「あぁ…」と思い出したかのように声を出した。


「いいよ、暑かったから湿布の冷たさが丁度良いしね。逆に感謝ちゃうくらい。ほら、食べに行こうよ。お腹空いた」


流星は「そうか…?」と言ってからいつもの雰囲気に戻った。
しおらしい流星なんて流星じゃないしね。
図々しい位が丁度良い。


「…森永待たせてるんだっけ?」


俺は食堂に向かう途中、流星に聞いた。
森永と飯を食う事はよくあったけど、昨日のアレがあって少し気まずい。


「あぁ…飯の準備させてるからな」


ポケットに手を突っ込んで歩く流星はサマになっているが、転んだら手が出ずに格好悪そう…と場違いなことを考えながら溜息を吐いた。


廊下も延々と続く訳じゃなく、もう食堂は目の前だった。

森長が逃げたしてくれていると期待して、食堂に足を踏み入れた。


森永は…と目で探すと逃げたしてはいなかったものの、幸い、転校生と香川と森永という見慣れないグループで居た。


どういう事だろうと、耳をすませば。


「気にかけてあげてるんだ」

「めっちゃ優しくない?」


女子の声が耳に届いた。
なるほど、1人で4人分の昼飯を用意している森永に気を使って一緒に食べてるんだ、転校生は優しいんだな…


その女子の声の次に流星をイラつかせる言葉が耳に届いた。


「へえ…あいつか!!
北原流星を一発KOにしたってのは」


それに反応した流星は声の方、後ろを向いた。
俺も後ろを見る。


「確かに綺麗な顔してやがる」


真っ先に目に入るサングラス。


「でもルックスは俺の方が上だろ?」


「うおー、マジでイケメンだ」


リーダー格のサングラス野郎は…確か、埼玉貴仁。
埼玉の周りに居る奴らは…知らない顔だな。
まぁ、アイツの"手下"か"友達"だろうな。
俺は前者だと思うけど。

21話→←19話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
設定タグ:外見至上主義 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 日本語に翻訳されてます!読んで頂き、ありがとうございます! (2017年4月23日 23時) (レス) id: 9bba651314 (このIDを非表示/違反報告)
無名の中二病患者(プロフ) - 葵さん» 韓国漫画か...ハングルで無ければ読めるかも、いや、ハングルでも読む!ありがとうございます、読んでみますね! (2017年4月23日 23時) (レス) id: ca1a42ce17 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 二次創作で、外見至上主義という韓国漫画のお話です。xoyという漫画アプリで読めます(^^) (2017年4月23日 22時) (レス) id: 9bba651314 (このIDを非表示/違反報告)
無名の中二病患者(プロフ) - 久し振りに集中して読めました。世界観がリアルで、同時に若々しさのある感じが好きです!ところで、この作品ってオリジナルですか、それとも二次創作ですか? (2017年4月23日 22時) (レス) id: ca1a42ce17 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月希 | 作成日時:2017年4月20日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。