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31. ページ30

侑「……俺、Aさんと出会って2ヶ月もたってない。





せやけど、こんなに一緒にいたいって思った人、初めてやねん。





人の笑顔見て、もっと見たいって、もっと話してたいって思ったんも初めてやねん。






たしかに、俺はまだ高校生のガキで、全然Aさんのこと支えられるような男やないけど、





それでも、俺がAさんのことあっためてあげたいねん!




せやから、関わらないでなんて、もう言わんといて、俺、まだAさんと一緒にいたい……、」








「好き」に、歳の差という壁があるのがどうしても嫌やった。




自分でも、声が掠れていくのがわかった。




惨めで、やっぱり頼むしかなくて、そんなだっさい俺を








「っ、ごめ、ん……ごめんね侑……!」








優しく抱きしめてくれるAさんが、ほんまに大好きやねん、









「あんなふうに言って、ごめんね、




頼んでないなんて言ってごめんね、私、助けてもらってほんとに嬉しかったんだよ、!




歳の差にして、ごめんね、




私、甘えてた、また、誰かと寄り添って離されるのが怖かったの、どうしてもこわかったの、!




あいつにビクビクして生きるのが、嫌だったの……!






ごめんね、私、大人なのにごめんね……、!」









抱きしめながら、ボロボロと涙をこぼすAさん。






俺も、いつのまにか涙を流してた。




行って欲しくなくて、けど、本心を言ってくれたことが嬉しくて、






ふと、ホームに吊るされとる時計が目に入った。


あと、約2分。時間はどんどん過ぎていく。


俺は抱きつく腕を解き、Aさんの肩を掴んで目線を合わせた。









侑「……Aさん、



俺、Aさんが頼れるような男になる!




何からも守れる男になるから!





そうしたら、絶対Aさんのこと迎えいく!





絶対!振り向かせたる!だから、だから……!!






俺のこと、忘れんといて!!!」








Aさんの荷物を手渡し、新幹線に押し込んだ。






閉じられるドア。





精一杯笑った。涙でぐっしゃぐしゃになってる顔を





一生懸命笑わせた。俺といると、自然に笑顔になるって言ってくれたから。









「__待ってる、」









ドア越しに、Aさんが伝えてくれた。






新幹線の姿が見えなくなっていく。







さっきよりも大粒の涙が、止まることを知らずに流れ落ちた。

32.※ネタバレ要素あり→←30.



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ひよ(プロフ) - 最後泣きましだ、、、!この作品に出会えて良かったです!!!!!! (10月19日 16時) (レス) @page31 id: 477ea6ec3d (このIDを非表示/違反報告)
しの子(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます!こちらこそ最後まで読んでいただけて本当に嬉しいです……!!これからも色々な小説に挑戦していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします! (2020年12月11日 23時) (レス) id: af5276c9b3 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - ヤバい、泣きそうですw素敵なお話ありがとうございました (2020年10月23日 21時) (レス) id: 6f68a4d609 (このIDを非表示/違反報告)
しの子(プロフ) - マロンさん» コメントありがとうございます!もうめっっちゃ嬉しいです、こちらこそ読んでくださりありがとうございます!ご愛読ありがとうございました!! (2020年5月22日 14時) (レス) id: af5276c9b3 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - うわぁああ!最後でめっちゃ泣きました!初めて小説読んで泣きました!とてもすばらしい作品をありがとうございます!友達にもオススメします! (2020年5月22日 14時) (レス) id: 30d3100420 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しの子 | 作成日時:2020年5月7日 22時

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