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……あのあと、ごめんねと言われて家に返された。
本当に大丈夫かと聞いたが、頷きしかしなかったAさん。
あれから3日。ゴールデンウィークも開け、学校と部活も再開した。しかし、
コンビニに、Aさんの姿は見えなかった。
店員に尋ねると、教えられないと一点張り。
Aさんの家に押入ることもできないまま、時間はすぎていた。
部活帰り、公園でただ空を眺める時間。
いつもなら、Aさんと過ごしている時間。
侑「……どこにいるん、Aさん、」
「…………いた、」
勢いよく、後ろを振り向いた。
侑「っ、……Aさん、!」
Aさんは座っていい?とベンチを指さした。
こくりと頷くと、静かに座った。
侑「……どこに、いたん?」
「……ちょっと、いろいろあってね、」
侑「すごい、心配した。」
「そっか、」
侑「……どこかに、行ってまう気がした、」
「…………侑は、エスパーだね。」
侑「は、?」
街灯に照らされた、Aさんの優しく微笑んだ顔。
「__私、関東に引っ越すの。」
侑「か、んとう……?兵庫から出ていくん!?」
「……うん。あの人が、私の前に現れたことがね、
本当に、本当に怖いの。それでおばあちゃんの駄菓子屋で働くことにした。
……もちろん、アルバイトも辞めた。」
侑「っ、な、んで……、嫌や!行かんといて!!」
「むりだよ、もう、決めちゃったもん、」
侑「なんでや!俺がAさんのこと守ったるから!
Aさんが泣かないように、!」
「アンタに何がわかるの!?」
俺の言葉を遮った怒鳴り声。
Aさんから発せられた言葉だと気づくのに、少し戸惑った。
「まだ高校生のアンタに何がわかんのよ!
私がどれだけキツいか知らないじゃない!!」
侑「っ、歳の問題ちゃうやろ、!
俺はAさんのこと助けたくて言うてんのやぞ!」
「……っ、誰も、そんなこと頼んでない!!!
……もう、関わらないで、
これだけ、伝えたかった。
__今までありがとう、楽しかった。」
侑「っ、Aさん!!!」
下を向いたまま、暗闇の中へと、走り去ってしまった。
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ひよ(プロフ) - 最後泣きましだ、、、!この作品に出会えて良かったです!!!!!! (10月19日 16時) (レス) @page31 id: 477ea6ec3d (このIDを非表示/違反報告)
しの子(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます!こちらこそ最後まで読んでいただけて本当に嬉しいです……!!これからも色々な小説に挑戦していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします! (2020年12月11日 23時) (レス) id: af5276c9b3 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - ヤバい、泣きそうですw素敵なお話ありがとうございました (2020年10月23日 21時) (レス) id: 6f68a4d609 (このIDを非表示/違反報告)
しの子(プロフ) - マロンさん» コメントありがとうございます!もうめっっちゃ嬉しいです、こちらこそ読んでくださりありがとうございます!ご愛読ありがとうございました!! (2020年5月22日 14時) (レス) id: af5276c9b3 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - うわぁああ!最後でめっちゃ泣きました!初めて小説読んで泣きました!とてもすばらしい作品をありがとうございます!友達にもオススメします! (2020年5月22日 14時) (レス) id: 30d3100420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しの子 | 作成日時:2020年5月7日 22時