コンビニのお姉さん【宮侑】

17.お姉さんside ページ18

……最初は結構心配だった。


無理を言って連れてきちゃったし、男子高校生と小学生のチビ共では、やっぱりすれ違いがあると思ったから。



でも、その心配は無用なようだ。





「角名おにいちゃん、これ飴きれいでしょ！」




角「お、ほんとだね。この赤いのもいいね。」






あれからなんとなく担当が決まって、




女心が地味に分かってる角名くんは、少しおませさんな女の子たちを。








「治くん！これおいしいよ！」





治「ほんまや、こっちもうまいで。交換こしよか。


美味かったら買って食べたらええよ。」







なんだか商売上手な治くんは、たくさん買いたい子供たちを。






「侑ぅ！はやくしてよ！」




侑「ちょお待っとき！



Aさん、ガキンチョ共と少し遊んでくるわ。あ、ちゃんと何人か連れて帰ってくるから安心してや。」






なんやかんやで1番好かれている侑は、元気な男の子たちを相手している。




呼び捨てにされてるけど。






「うん、いってらっしゃい。気をつけてねー。」






……こうしていると、なんだか大家族を持ったようだ。







「Aちゃん、これちょーだい。」






「！はいはい、30円だよ。」







「……Aちゃん、前より笑ってるね。




そっちのがかわいいよ！」






男の子は、にししと笑って帰ってった。




……あんま、気づかなかったけど、笑うようになってたのか、私。









『お前ほんと笑わねぇし、つまんねぇんだよ。』









……なんで、まだ覚えてんだろ。








治「……Aさん？」





「えっ、あ、なに？」





治「ツムからぎょうさん子供ら連れて帰るから覚悟しときって連絡来たんで、」






角「えぇぇ……まだ増えんの？」







「……上等。とでも返しといて。」








親指をたてて、少し口角を上げた。




いや、上げたつもりでも上がってないかもしれない。









……私のこの呪いのような能面は、



いつになったら、剥がれるのだろうか。




誰が、剥がしてくれるのだろうか。

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